【季節の食べ物】月餅食べ比べ

10月6日、今年も中秋節がやってきました。定番から変わり種まで、いろんな月餅食べ比べ!

サワッディーカー!バンコクナビです。
10月6日(旧暦8月15日)は中秋節。中華系タイ人を中心に、月餅というお菓子を贈りあってお祝いします。中国が起源の中秋節ですが、月餅のいわれについては、元の時代に反乱軍が挙兵の日にちを書いた紙を月餅の中に入れて配った、唐の時代の皇帝が客を月餅でもてなした、など諸説あるようです。
この日が近づくと、バンコクにある中華街ヤワラートは、月餅が所狭しと並べられ一段と賑やかに。月餅を買い求める人々でごった返します。
お祭りごとに目がない我がバンコクナビスタッフ。スタンダードなものから変わり種まで、色んな月餅を買ってきてオフィスで試食大会をし、そのお味を大検証してみました!

4色詰め合わせ

まずは、スタンダードな4種類の詰め合わせ。老舗中華料理店の銀宮樓(シルバーパレス)のものです。

黒豆あん
黒豆あんに、蓮の実のスライスが入っています。値段は、1個87バーツ。これは、タイ人の普段のごはん大体3回分。やはり縁起物は値が張りますね。

日本人ナビ: 「これは安心して食べられる味。小豆じゃなくて黒豆なんだね。小豆あんよりコクがある気がする。甘すぎないのがいいわー。」
タイ人ナビ: 「豆をきちんと漉してあるので舌触りがいいです。タイの月餅は普通もっと油っこいですが、これはとてもさっぱりとしています。」

緑茶あん
最近タイで大ブームを巻き起こしている緑茶。緑茶味の月餅は、2,3年前から出始めました。アヒルの卵の黄身入りで、1個あたりの値段は、4種類のうち一番高い89バーツです。

日本人ナビ: 「アヒルの卵がちょうど満月みたいできれいだし、黄身の濃厚さがお茶の味とよく合う。皮もしっかり焼かれて香ばしい。」
タイ人ナビ: 「(袋の裏の表示を見て、)緑茶は日本からのものを使っています。健康によさそう。」

ナッツ&ドライフルーツ&焼き豚
ウォールナッツ・カシューナッツ・ドライフルーツミックス・スイカの種、そして焼き豚が入っています。1個79バーツ。

日本人ナビ
: 「ドライフルーツと焼き豚!?一体どんな味なんだろう?」と、怖いもの見たさもとい食べたさでトライ。「あぁ、思った程違和感はないね。ナッツが沢山入って歯ごたえがあるし、香ばしくていいよ。ドライフルーツのケーキと違ってお酒が入ってないからクセがなくて食べやすい。栄養価も高そうだし、朝ごはん代わりになるかも。」
タイ人ナビ: 「固い…。ナッツが歯にはさまります。タイ人は滑らかな舌触りのものが好きなので、僕はこれあまり好きではないです。」

ドリアン味
出ました!果物の王様、ドリアン味。1個70バーツ。これにも蓮の実が入っています。

日本人ナビ: ドリアンが苦手のナビ。まずおそるおそる匂いをかいで、ドリアンそのものの香りにくらり。ちびちびと味見して、降参しました。
タイ人ナビ: 「ドリアンの味が生きてる!僕はこれが一番好きです。」と、一度に2,3切れをぺロリ。タイ人スタッフにも、このドリアン味が一番好評でした。

うさぎ落雁風

続いては、小麦粉と砂糖を混ぜてうさぎの形にかたどった落雁風のお菓子。タイ人の間にも、『月には兎が住んでいる』という言い伝えがあります。値段は、つがいで15バーツ。

日本人ナビ: 「かわいい形―。これ、耳切るの?切るのがかわいそうだよー。(一口食べて、)見た目通りの淡白な味。日本でいう落雁ですね。」
タイ人ナビ: 「初めて食べました。味がない。タイ人も、普段はお供えするだけであまり食べませんよ」

ビッグ月餅

次は、直径約20センチメートル、月そのもののように大きな月餅。1個100バーツ。大きさを考えれば割安感があります。

日本人ナビ: 「瓜と砂糖を混ぜて作ったとろとろの餡をベースに、蓮の実、白ごま、う…揚げたニンニクが入ってる。しかもこの白い粒は大根だ。味にまとまりがないよー。パイ生地でサクサクの皮はいいのにもったいないなー。酔っぱらいが、冷蔵庫の中身をとりあえず全部入れて作ったみたい。」何でもありのこの月餅、ナビが勝手に“闇鍋”月餅と命名しました。
タイ人ナビ: 「色んな味が楽しめます。ニンニクが入っているので香りがいいです。昔からある味で、特にお年寄りに人気があります。」…なるほど。甘い・辛い・酸っぱいと色んな風味が混ざった味が好きなタイ人気質が表れた月餅です。

生菓子風

色目もきれいな、和菓子のような月餅。値段は、4つで60バーツです。

白餡
白いんげん豆の白餡。味のアクセントに白ごまが入っています。
日本人ナビ: 「求肥みたいな柔らかい皮がいいねー。白あんのほっこり感が和むわー。」
タイ人ナビ: 「…ジュートマーク(『味が薄い』という意味のタイ語で、日本料理に対してよく使われます。)」とのあっけない一言コメントでした。

緑茶餡
蓮の実入りです。
日本人ナビ: 「あぁ、懐かしい味。まさに和菓子だ。お抹茶立てて一緒に飲みたいよー!」と、しばし郷愁に浸りました。強いて言えば、もっと緑茶ならではの苦味があってもいいんだけどなー。
タイ人ナビ: 「噛まなくても口の中で溶けます。おいしいけどちょっと苦いです。」
だからその苦味がいいんだってばー!

黒ごま餡
練った黒ごまを餡にしています。
日本人ナビ: 「あぁ、ごまがすごく滑らかでまったりとしてる。皮が舌に残らない。」
タイ人ナビ: 「あんまり甘くないです。そしてのどが渇きそう。僕はシロップに浮かべたごま団子の方が好きです」

ドリアン餡
またまた登場、ドリアン味!見た目はとってもきれいです。
日本人ナビ: 「…やっぱだめだよ。生な分、余計ドリアンの匂いがする。でも他の味ににおいがうつってないのはすごいな。」
タイ人ナビ: 食べて即行、にっこり顔に。「やっぱりドリアン味は美味しいです。生のドリアンより甘くておいしい。」

いかがでしたか?
1年中暑いと思われているタイでもこうして節目節目を区切る行事があって、タイ人はそのたび毎に、これまでを振り返ったりこれからのことに思いを馳せたりしています。
月餅を頬張りながら、「周りの人に素直に感謝し、思いを新たに頑張ろう!」と、殊勝な気持ちになった、ナビの中秋節でした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-10-11

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