チャオプラヤー川の向こう側を在タイ十余年のスペシャリストがご紹介。
サワディカップ ナビ吉です。2009年5月15日のBTSサパーンタクシン駅以南の開通、おめでとうございます。開通当日の模様は先日お伝えしましたが、ナビ吉実際にBTSに乗って川を越えてみました。
まずはタクシン駅まで
DOMEが金色に塗られています
ナビオフィスの最寄り駅はサラデーン駅、まずはここからタクシン駅に向かいます。
レブアアットステートタワーを右手に眺めながらタクシン駅到着です。この駅は当初川を越えて電車を走らせることを前提に建設されていないため、線路は何と単線です。このためホームも片側しかないので、前後で分けて乗降するようになっていて、ホームの淵に色が塗られています。サイアム方向行きの電車に乗る方はサイアム寄り緑色の付近で電車の到着をお待ち下さい。川の向こうに行かれる方は紫色エリアでお待ち下さい。駅を過ぎ、橋の上で再び複線に戻ります。
緑がサイアム方向、紫が終点方向
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橋の上で再び複線になります
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1997年の爪あと
かれこれ10年以上、この姿です
タクシン駅裏手には1997年の通貨危機以降、工事が中止になったままのビルがあります。
デザインはレブアアットステートタワーとほぼ同じで、当時は双子ビルなどと呼んでいました。その後シーロム通りに面した現在のレブアは完成しましたが、こちらはそのまま廃墟としてそびえたっています。バンコクにはこの他にも通貨危機の影響で工事が中止になったままのビルがあちこちにありますが、当時を知るナビ吉には感慨深いものがありますね。
橋の上から見る風景
タクシン橋からトンブリ方向を見て左側がチャオプラヤ川下流方向、こちら側には、カシコーン銀行の本店、見えないですがマリオットリゾート&スパなどがあります。正直特に見るべきものはありません。右手はシャングリラホテル、オリエンタルホテル、渡ったところにペニンシュラ、ミレニアムヒルトンなど5★ホテル群が見えます。橋の左右で全く違う風景なんですよね。
Krung Thon Buri駅周辺
ペニンシュラ、ミレニアムヒルトンなどにお泊りの方はこの駅まで来ればBTS利用が可能になりましたので、行動範囲が広がったのではないでしょうか。もともと「川ムコウ」は町工場やスモールオフィスが多かったエリアで現在も特にこれと言ったものはありません。駅構内の案内版を見てもそれが分かります。現在駅周辺で新しいビルの建設があちこちで進められていて、これから開発が始まることでしょう。
駅の目の前にオフィスビル建設中
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こちらはコンドミニアムでしょうか
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終点Wongwian yai駅の名前の由来は
2009年5月現在の終点駅
発音するのも中々難しい駅名ですが、あえてカタカナで書けば「ウォンヴィァン ヤイ」となります。「ウォンヴィァン」の本来の意味は数学で使う、円を書くための道具、そう「コンパス」なのだそうですが、一般的には駅前などにある、車が円を描いて走る「ロータリー」を指すそうです。「ヤイ」は大きいという意味ですので直訳すれば「大きなロータリー」となるわけで、近くに大きなロータリーがあるとのこと。地図で確かめてみました。
確かに大きなロータリーがあります
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その先も線路は出来ていますが開業は未だ先
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気が付いたこと
ナビ吉は以前からBTSに関して疑問を持っていました。タイは老人や障害のある方に優しい国とは思っていたのですが、公共機関となると話は別で、例えば車椅子やベビーカーを利用される方はどうやってホームに昇り降りするのでしょうか。先日もプロンポン駅で大きなベビーカーを押している西洋人のママが階段を降りれずに苦労している場面に出会いました。(一応ナビ吉、ベビーカーを降ろすのを手伝いました。)考えてみればサイアムなど乗り換える人が多い駅にはエレベーターもありますが、サラデーンやプロンポンなどは上りエスカレーターと階段しかありません。旅行者が大きなカバンを下ろすのも階段ということになります。ところが2つの新駅には道路から改札階、改札階からホームまでエレベーターが設置されていました。後付けでも構いませんので、全駅に設置して欲しいと思います。
地上と改札階をつなぐエレベーター
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改札階とホームをつなぐエレベーター
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もう一つの疑問
さらにもう一つ、現在はこのWongwian yai駅が始発であり、終点でもあるわけですが、車庫がないため、常に折り返し運転となります。更にタクシン駅では単線のため相互通行となり余分に時間がかかります。この駅の先の開通は2011年予定とのことですが遅れるのは毎度のことなので、その間、車庫として使えるような設計になっているのでしょうか。
見たところ、全くそのような光景は見られず、普通に折り返し運転をしていました。
2009年8月12日まで無料
オープンした新駅2箇所は現在無料です。既存の駅からサパーンタクシン駅までの乗車券があれば、その先2駅は料金が加算されません。また新駅からタクシン駅、タクシン駅から新駅の間は、乗車券販売機の『1』のボタン(NO CHARGEの表示あり)を押すと無料で乗車券が発券されるそうです。勿論有料区間まで乗車した場合は、降りる際に料金を払うそうです。
インフラが整備されるということは、その土地が活性化され、便利になるということを意味します。従来川の向こうと聞いただけで「え~っ?」と思っていましたが、今後BTSの延長とともに、行動範囲、活動範囲が広がり、新たなバンコクの発見に繋がることでしょう。更には新しい観光、お食事スポットなどが出来て皆さんにご紹介できる場所が増えることと思います。2008年の空港占拠、2009年のデモなど最近明るい話題の乏しかったバンコクですが、これを機に以前のような活気あるバンコクに戻って欲しいものですね。
以上ナビ吉レポートでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2009-05-25