コラム~タイの花・草・木 第3回

おかだかおるのコラム第3回~マラコー、ケーオマンコーン、ファラン

サワディーカー バンコクナビのおかだかおるです。
タイはさまざまな果物が店頭に並ぶ果物王国です。
タイ観光に訪れた際、路上のカットフルーツで喉の渇きを癒した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんなタイの南国らしい果物のご紹介です。
ご紹介する果物の中にサムンプライと呼ばれる物がありますが、タイでは植物に限らず動物・鉱物も含め、効能や薬効のより高い物をサムンプライと呼んでいます。
それではスタートです。  

File. 7 マラコー(パパイヤ) มะละกอ

ビタミンいっぱいフルーツ酸もいっぱい。
若い果肉も熟した果肉もおいしい果物です。熟す前の堅くあおい果肉は千切りのようにしてソムタムに。コリっとした歯触りと酸味が食欲をそそります。熟した果肉は黄色やオレンジ色に変わり、柔らかく甘い果物となります。タイ全土で年中収穫できます。
マラコーはビタミンAやC、フルーツ酸(AHA)にパパイン酵素も含んでいるサムンプライです。フルーツ酸は肌のクスミをとったりカサツキをなくしたりとお肌の味方。また若い果肉に含まれるパパイン酵素は体の中の余分な物を取り除く働きがあります。そのためマラコーは石鹸や洗顔剤などに大活躍です。
このように特に美容や健康にいいものをサムンプライと呼びます。サムンプライはいわゆるハーブだけではありません。果物や他の植物、さらに動物や鉱物も含まれます。体に良いマラコー。しかし食べすぎにはご用心!体が黄色くなってしまいます。ほどよくいただきましょう。

File.8 ケーオマンコーン(ドラゴンフルーツ)  แก้วมังกร

さっぱり味ながら抗酸化作用ありの優れもの。
ケーオはガラスの様な物という意味があります。そしてマンコーンは竜(ドラゴン)です。ケーオマンコーンで竜の眼または竜の宝石といったところでしょうか。ケーオマンコーンはサンカクサボテンの果実なのです。その派手な外見に比べ、味は拍子抜けしてしまうほど主張の少ないさっぱり味です。タイのケーオマンコーンには、中身が赤紫色の物と白い物と2種類あります。どちらも胡麻粒ほどの種がいっぱい散りばめられており、その種ごと食べます。種はじゃまになりません。赤紫色の方が甘みが強いようです。買う時は、ずっしり感のある物を。味がしっかりしています。バンコクから南部にかけて生産され、5月から10月頃が収穫時期になります。
控え目な味のケーオマンコーンですが、カリウムやマグネシウム、ポリフェノールを含み、食物繊維が豊富なとても優れた健康食品なのです。老化防止や高血圧予防、便秘回避などに効果があると言われています。

File.9 ファラン(グァバ、バンジロウ) ต้นฝรั่ง, ผลฝรั่ง

香り高く、ビタミンCやミネラルが豊富な果物です。
ファランはビタミンやミネラルを豊富に含み、とても良い香りのする果物です。また暑いタイで口の中をサッパリしてくれる果物でもあります。果肉が白い物とピンクの物がありますが、香り高さはピンクの方が勝っているようです。まん丸なファランが多く目につきますがヒョウタン型や細長い形の物もあり、それぞれが歯ごたえなど微妙に違いがあります。果肉の中ほどに小粒な種が集中していますがこれは食べられません。うっかり噛んでしまうと歯が壊れるのではないかと思うほどの固い代物です。そんなファランなのですが、ギムジューという、種のほとんどない種類もあるのをご存じでしょうか。これはナイフを入れても種がじゃまになりませんし食べやすいので、ぜひ一度お試しください。
このように香りとサッパリ感が魅力のファランですが、タイでは「お腹を壊した時にファランの葉が症状を軽くしてくれる」と葉の効能についても言い伝えられています。そんなことからファランもサムンプライと呼ばれています。

日本では味わう機会が少ないと思われる果物3点をご紹介しました。マラコーは、熟した物より熟す前の果肉の方が需要が多いような気がします。というのも、タイの人は大人も子供も毎日それなしでは暮らせないのではと思わせるほどのソムタム好き。そのソムタムに欠かせないマラコーが年中収穫できるとは何と恵まれていることでしょう。また果肉以外の部分にも効能を持つ果物の存在など、タイは本当に食の豊かな、自然の恵み豊かな国だと改めて感じないではいられません。
それではまた次回お会いしましょう。
 

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-05-13

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