バクテー、ミーゴレン、海南鶏飯…… バンコクでシンガポールの味に舌鼓!
サワディーカッポン バンコクナビです。
トムヤム・クン、パッタイ、プーパッポンカリー…。有名なタイ料理はたくさんありますが、タイやタイ料理に興味のある人ならほとんどの人が知っていて、しかもそれを嫌う人が少ない料理と言えば何でしょう?
ナビはその1つが「カオ・マンガイ」だと考えています。日本から来る友人や知人に
「タイのローカルフードを食べたい」と言われたときに一番先に候補に上がるのがこの料理です。辛い料理が苦手な人でも大丈夫なのがポイントです。
小ぎれいで見た目も味も申し分ない美味しいお店を探しておけば、おもてなしの際の面目躍如というものです。
カオ・マンガイ~海南鶏飯、その生まれや結びつき
Hinanese Chicken Riceというのがシンガポールでの呼び名
さて、その「カオ・マンガイ」、実はタイのオリジナル料理というわけではなさそうです。
一般的には中国の海南省、海南島で生まれたと言われるこの料理、時代を経て東南アジア諸国へ広まり、広く食されるようになったといいます。
その特徴は、「鶏肉を茹で、その茹で汁を使って米を炊き、茹でた鶏肉を載せて薬味や特製のタレで頂く」というもの。
これをタイでは「カオ・マンガイ」、マレーシアやインドネシアでは「ナシアヤム」ベトナムでは「コムガー」と呼ぶようですが、それぞれ重要なのは鶏肉の茹で具合。パサパサしているとやはり美味しくはありません。
絶妙な茹で具合の鶏肉とダシの利いた薄味の付いたご飯(ゴールデンライス。実は鶏の旨味と脂を吸い尽くし、かなり高カロリー)を掻き込む幸せは筆舌に尽くしがたいものがあります。
「毎日食べても飽きない!」と豪語する友人もいるほどです。
とはいえ、多くのお店は屋台や軒先に茹でた鶏肉を無造作にぶら提げてそこから切り分けてサーブするスタイル。暑い東南アジアではちょっと心配です。
そんな時に試して欲しいのが今日ご紹介する「オーチャード」。
シンガポール版カオ・マンガイ、「シンガポール・チキンライス」がウリのお店ですが、タイで営業するだけあってタイ人の好みも押さえたデパート内の清潔なお店です。屋台や巷の食堂に挑む前に、こちらで試食してみてはいかがですか?
シンガポール反映の象徴「オーチャード通り」を店名に
エスカレーターで上がると一番最初に目に入るお店です
セントラルワールド7階、「オーチャード」はシンガポール・チキンライスを中心にバクテー(肉骨茶)やミーゴレンなどシンガポール(とマレー半島南部やインドネシア)の料理のお店。その店名はもちろん、シンガポールの目抜き通り「オーチャード通り」から。お店の入口のマーライオンのシルエットからもシンガポール魂(?)を感じます。
赤と黒で統一された洗練された店内は常に満席とは言いませんが、途切れることなく訪れ、
満足そうに帰っていくお客さんを眺めるとかなり期待できそうです。
看板「シンガポール・チキンライス」
星・タイ、付けダレの融合!
今日のお目当てシンガポール・チキンライス、「オーチャード」のメニューには「ハイナンチキンライス」と記されています。「ハイナン」とは漢字で書くと「海南」。シンガポールに行くと「海南鶏飯」と書かれた屋台や食堂の看板を良く目にしますが、まさしくこれ。
通常、シンガポールの屋台やフードコートでは1つの皿に盛られて出てきますが、「オーチャード」の「
ハイナン・チキンライスセット 119バーツ+」は別々のお皿で出てきます。
タイ風に説明すると“ガイ・サップ(刻んだ鶏)が大盛り1皿”、“カオマン(ゴールデンライス)が1椀”、さらにトウガンの入ったスープがセットになっています。
違いは付けダレ。「オーチャード」が提供するシンガポールスタイルとタイのマーケットに併せたスタイルの融合形として、下ろしショウガとチリソース、甘めの中華風醤油、そして辛めのタイ風のナムヂムが別々の小皿で出てきます。
別々に出てきたタレや薬味ですが、ナビの結論としては「もう1つ小皿を貰って、それぞれを混ぜながらベストのブレンドを見つける」ということ。
ナビは巷のカオ・マンガイに慣れたせいか、それぞれのタレだけではどうにも物足りなく、タイ風のナムヂムも今一つ深みが足りない感じです。しかし、それぞれを混ぜ合わせることでかなりの深みある味を再現可能で、抜群のジューシーさを保った鶏肉と絶妙にマッチします。
ツヤツヤ、ジューシー。ボリュームも満点!
他のメニューも見逃せない!
甘~い、中国茶は日本では味わえない不思議な味
シンガポールを旅すると見かけるお店の代表格「肉骨茶(バクテー)セット 119バーツ+」。バクテーは豚のスペアリブを漢方のスパイスと一緒に煮込んだもの。本場では、目的や症状に応じてスパイスの調合を変えるといいますが、オーチャードのものはオーソドックスなもの。苦味がやや勝ち気味ですが、絶妙の塩味とスパイスの複雑な味わい、さらに肉離れの良いスペアリブも合格点で、食欲が沸いてきて、何となく元気が出るようです。
人気料理の「ミーゴレン 99バーツ+」はインドネシアやマレーシアでお馴染みの、東南アジア風やきそば。干しえびが入っていたりして「パッタイ」に近い味わいですが、麺は小麦の中華麺。真っ赤な色からお察しの通り少々辛め。しかし大振りなシーフードはお得感いっぱいです。
ミルクと練乳たっぷりの甘~い中国茶と一緒に頂くと辛さは和らぐのですが、カロリーが……、大いに気になります。
バクテーセット。ライスとチンゲン菜のあんかけ付き
薬膳とは言わせない? しっかりひの通った骨離れの良いスペアリブ
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甘辛く、シーフードたっぷり。カロリーが気になります
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麺だけでなくシーフードもボリューム満点
オーチャードはバンコク都内で地道に展開中
オーチャードがラチャダーピセーク通りのショッピングモール「エスプラネード」にオープンしたのは2008年の春頃のこと。職場から近かったこともあり、度々利用していました。
その後、このセントラルワールド店、さらにバンコク北部のショッピングモール「ナワミン・スクエア」にも支店をオープン。TVでも取り上げられ少しずつ人気が出てきているようです。
一番右がマネージャーのマインさん。
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メニューは英語とタイ語で表記
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いかがでしたか? お手ごろな値段で食べられる本格シンガポール料理のお店「オーチャード」。ナビとしては、日本から初めてタイを訪れた人がタイのローカルフードに挑戦する前哨戦、予行演習の場として大いに勧めたいお店です。東南アジアに共通する味付けを保ちながら、清潔でお洒落な雰囲気、ボリュームやお味、お値段もリーズナブルで、安心感いっぱいです。
以上、バンコクナビがお伝えしました。