3倍のスピードで願いが叶う? バンコクの隣県チャチエンサオにある噂のパワースポット 願い事をするにも方法が決められています
サワディカップ バンコクナビです。タイは言わずと知れた仏教国、それであるが故あちこちにお寺があるのは当たり前の話なのですが、数が多くなればより多くの信者に参拝してもらうため、あれやこれや変わった趣向を凝らすお寺が増えてくるのもまた事実、今日はその中でも「3倍のスピードで願いが成就する」という評判の巨大なピンクのガネーシャがある珍奇寺 ワットサマーン ラタナラームをご紹介します。
バンコクからの距離は90km
大きな交差点にもピンクのガネーシャの看板
通称ワットサマーンと呼ばれるこの寺院はバンコクから東方向へ約90km、隣県であるチャチエンサオの中心を流れる大河 バンパコン川の畔に位置しています。
治水事業が進んでいないためバンパコン川は蛇のようにうねくっており、しかも一旦二股に分かれて再び1本の川になった地形の四方を川に囲まれた土地の内側にワットサマーンはあります。行き方は残念ながら車でしか行けません。しかも運転の悪いことで有名なロットゥーと呼ばれる9人乗りのワゴン(日本で言えばタウンエース)となりますので、ナビでは敢えて行き方は書かないことにしました。出来ればタクシーを数時間借り切るなどの方法で行って頂きたいと思います。
ガネーシャに関して
伊勢丹デパート前のガネーシャ
まず基礎知識としてガネーシャについて学びましょう。既にご存知の方は飛ばして頂いて構いません。タイは仏教国でありながらヒンドゥー教の影響も多分に受けています。ガネーシャはこのヒンドゥー教に登場する象の頭を持つ神様です。
ヒンドゥー教はインドやネパールで多数を占める宗教で、仏教とは異なり多神教であるため、神々に纏わる神話が幾つも存在します。
破壊を司る神シヴァとその妻であるパールヴァティの間に出来た子供がガネーシャ、元々は普通に人間と同じ姿をしていましたが、誤解から父シヴァに首を撥ねられてしまいます。
シヴァは撥ねた首を遠くへ投げ捨てますが、パールヴァティから誤解と知らされ首を捜しに旅へ出ます。しかし中々見つからないため旅の最初に出会った象の頭を切り、ガネーシャの頭に取り付け彼を復活させます。
このように頭象身人の神となったガネーシャは、元々は万事に障害をもたらす神であったのですが、障害を自由自在に操ることから“障害を取り除く神”として崇められるようになります。現代では商売・学問に最もご利益のある神として絶大な人気を誇り、バンコクの中心地にあるセントラルワールド内伊勢丹デパートの前にも大きなガネーシャの祠があります。
参拝路は商店街
バンコクから車で1時間半ほど、ワットサマーンの駐車場に車を停め参道を歩いて行くと左右にお店が連なっています。売っているものは特に宗教や寺院に関係するものは無く、果物やお菓子など食べる物がメイン、衣服や小物など普通の屋台グッズが大半を占めます。東京の巣鴨にある地蔵通り商店街をイメージして頂ければ良いと思います。
参道 とげぬき地蔵の商店街みたいな感じ
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普通のお店が殆ど
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巨大なピンクのガネーシャ像
参拝路からワット サマーンの境内に入るとすぐに巨大なピンクのガネーシャ像の側面が目に入ります。ここのガネーシャは丸い枕にもたれて横になっている、まるでテレビを見ているような格好のガネーシャです。大きさは横が約15m、高さが5mはあるでしょうか、ナビがタイで見た中で最も大きなガネーシャです。台座には色違いのガネーシャの立体彫刻が全周に渡り貼り付けられています。そして台座の中はお参りグッズの販売店になっています。エアコンが効いていますので、参拝の最中、暑さから一時逃れ休憩に利用するのも良いでしょう。
正しい願い事の方法
ガネーシャの周りには様々な色をした等身大の鼠の像があります。実はガネーシャに願い事をするのに、この鼠たちが一役買います。鼠はガネーシャの乗り物であると同時に“神の使い”でもあり、願い事は直接ガネーシャに告げるのではなく、この鼠に伝えてもらわなければなりません。また何故様々な色の鼠がいるかと言うと、タイでは生まれた曜日毎に“色”が決められていて、願い事をする人は自分が生まれた曜日の色の鼠に内容を告げなければいけないという事になっているからです。鼠の色は全8色、曜日より一色多いのは金色の鼠がいるからで、金色の鼠は全曜日共通で特に金運・商売などにご利益があるとのこと。曜日毎の色は下記を参照してもらうとして、まずは自分が生まれた曜日を確認しておいて下さい。
月曜日:黄色
火曜日:ピンク
水曜日:緑
木曜日:オレンジ
金曜日:青
土曜日:紫
日曜日:赤
そしてもう一つ、鼠に願い事をするときは願い事が外へ出ていかないよう、反対側の耳を塞いで伝えなければならないそうです。しかし実際には金色の鼠、お願い事をする人が左右に列を作り、二人同時に左右の耳から願い事をしていました。一緒に願い事を告げた人と間違われないよう、鼠に頭を下げる他に手は無いようです。
全部で8色の鼠の像があります
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自分の生まれた曜日の色の鼠に願い事を言います
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金色の鼠には願い事をする人が列を作ります
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両方の耳から願い事をされる金色の鼠
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テーマパーク1
ガネーシャに願い事をした後、川を正面に見ながら左奥へ進むと色んなものがあります。水を噴く龍のオブジェ、高僧の蝋人形、絶対正規品ではないドラエモンや仮面ライダーの像、そして極め付けは川の上に浮かぶ蓮の花の浮き島です。鮮やかなピンク色の花びらに囲まれた浮き島は渡ることが出来ます。と言っても特に中に何もある訳ではなく、束の間お釈迦様の気分を味わえるというところでしょうか。その他願い事を書く銀色の短冊やお賽銭を投げ入れる壷など、まさに寺院を越えてテーマパーク化していると思わざるを得ません。
浮き島から見たところ
テーマパーク2
正面
次は川を正面に見て右手側、巨大な中国風のお釈迦様像、高さは10m以上、5階建てのビルぐらいの高さがあります。こちらも台座の下は参拝グッズ売り場になっていて、空調が効いています。更にその隣にも川を見据えるかの如き三面のお釈迦様像、写真撮影スポットだらけなので、携帯の空き領域を確保して行かないとすぐに一杯になってしまうと思います。
高っ! でかっ! と言いたくなる大きさ
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こちらは坐像ですがかなり大きいです
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お食事処とお土産店
中央にある屋台部分 テーブルもあります
上記二つの間にはお食事処とお土産店が用意されています。左右にタイの屋台グルメショップが立ち並び、その横にはお土産品販売コーナー、そして川を利用した水上レストランまであって正に至れり尽くせりの内容です。
お土産売り場内 子供が飽きないようキャラクター像もあります
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立地を生かした水上レストラン
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本当の本堂
真剣に願い事や参拝を希望されている方、忘れずに本堂にもお立ち寄り下さい。本堂は先ほどの蓮の花の浮き島がある方向の左手にひっそりと建っています。何故かお参りする人の数も少ないのですが中には立派な金色の仏像が安置されています。これがあることによって「間違いなくタイのお寺なんだ」という実感も沸いてきます。
テーマパーク3
ミャンマーの奇跡の岩=ゴールデンロック のレプリカ?
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信じる者は救われるのでしょうか
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ゴールデンロック内部 洞窟風
そして帰り道、駐車場の傍らに何と隣国ミャンマーで有名な奇跡の岩=ゴールデンロックを発見しました。ここまで来ると本当に“何でもあり感”満載です。岩には願い事が叶うよう銀色の鈴が沢山付けられていました。岩の下は洞窟風に作られていて、仏像と僧侶の蝋人形が置かれており、お参りをする人が後を絶たない様子です。正直ナビは“何だかなぁ”と思ってしまいました。
タイのお寺の中にはかなり奇抜なものがありますが、ここまで商業意識に乗っ取っているお寺は中々ありません。願い事が叶う・叶わないはナビにも判りませんが、集客能力の高いお寺であることは事実です。
観光の傍ら、鼠の耳を通しガネーシャに願い事を言ってみるのも悪くないかもしれません。
以上、バンコクナビでした。