タイ料理とタイ舞踊の両方が気楽に楽しめる、タイ度の高いディナーショー。気が向いたなら、一緒に踊ってしまいましょう。
サワッディーカー!バンコクナビです。
タイに来たなら、全身でタイの雰囲気にどっぷり浸りたい。とならば、タイ料理を食べ、なおかつタイ舞踊を観賞する、という夕べはいかがでしょうか?
舌の上に乗っているのもタイならば、眼の中に映るものもタイ、つまり、インプットされるものはタイのものばかりという、タイ度が一気にアップするディナー。素敵ではありませんか!
今回ナビは、食事でお腹を満たし、タイ舞踊に見入り、途中ハヌマーン(白猿)にいたずらされて大笑い、という見どころ満載の『ノパラット』のタイダンスディナーを味わってきました。
【注】こちら記事は移転前のお店情報になりますのでご注意ください。
今回ご紹介する『ノパラット』は、中心部から車で約30分のところにある「タラート・バンコクスクエア」という船着場の敷地内にあります。敷地の正面向かって右側、1階がアウトレットの量販店『New Liza Plaza』になっている建物の階段を登って2階に行くと、そこが『ノパラット』の入り口です。
中は靴をぬいでくつろぐスタイル、靴は入り口の靴箱へ。待合スペースは赤いじゅうたんが敷かれていて、中堅ホテルのロビーのような雰囲気です。ちなみに『ノパラット』とは、タイ語でサファイヤのことを言うのだそうです。壁紙に古典絵巻物の場面が描かれていますが、これから見るタイ舞踊もこんな感じなのでしょうか?
開場は7時ですが、メインのタイダンスショーは8時30分から、それ以外には特にこれといって見るものもないので、8時ごろを目途に到着すれば余裕ですよー。
※現在お店は移転しております。行先は基本情報、地図ページでご確認ください。
全250席を擁する舞台、前方のテーブルは舞台と垂直に、後方の席は舞台と平行に並んでいます。
前方の席はいうまでもなく舞台に近いので臨場感たっぷり、後方の席でも舞台からの距離は気にならないし、何より舞台を正面から見られるというわけで、前後それぞれの席にそれぞれのよさがあります。
そしてよくよく見れば、座席は掘りごたつスタイルではないですか!
足を投げ出せて、日本人には馴染み深くうれしいこの造り。ナビもさっそく席に着いて足を中に入れます。
食事
- 8時00分、ナビがテーブルにつくとすぐに卓上のキャンドルがともされ、食事が運ばれてきました。おかずは一度にならべられ、そして最後に小脇に抱えた銀色の大きな鉢からごはんをよそってくれます。
ドリンクは別料金でオーダー可能、ハイネケン(小)が160バーツ、オレンジ・パインなどのジュースは100バーツ、水は60バーツです。
ドリンクメニューの日本語が「レモナデ(レモネード:100バーツ)」「ブラックレーブル(ブラックレーベル:1杯180バーツ)」など、ところどころ惜しいのはご愛嬌!
内容は、【パッタイ(タイ風やきそば)】・【天ぷら(という名のフリッター、プラムソースで頂きます)】・【ジャガイモと牛肉のカレー】・【トムヤムクン】・【野菜と海老の甘酢炒め】。
外国人を意識した薄め&甘めの味付けです。ごはんとおかず(天ぷら以外)はおかわりできるので、落とした照明の中でも目立つ、鮮やかなタイ衣装を着て歩きまわっているスタッフを呼びとめましょう。
※メニューは一部変更になることがあります。
食事が終わると、デザートのフルーツとコーヒー(もしくは紅茶)をいただきます。
8時頃到着して食事を始めると、この時点でまだショーの始まりにはすこし余裕があるので、食事をしながらダンスを見るというよりは、デザートとコーヒーを頂きながら食後に観賞するといった感じ。
ナビは、ゆっくり食事がとれてそれからじっくりダンスを観られるこの流れが、忙しくなくていいなと思いましたが、どうしても食事とダンスを同時に楽しみたい人は、到着後スタッフにその旨を伝えましょう。普通は、到着後すぐに食事が運ばれてきますので。
タイダンスショー
日本語アナウンスあり
舞台の端にセッティングされたタイの古典楽器の生演奏で、舞台がはじまりました。舞台は全部で6幕、それぞれの踊りのはじめには、英語、続いてフランス語、そして日本語の順番で、踊りに関する簡単な説明があります。これから観るものに関する知識が増えるということは、それだけ見どころが増えるということ。母国語で聞けば理解もばっちり。
それにしても、日本語を差し置いてのフランス語アナウンス、余程フランス人の観客が多いんだろうな、と辺りを見回すと、確かに白人さんが多い。そしてナビにとって白人さんの区別は難しいものの、確かにそれとなくお洒落な恰好をしたフランス人っぽい人のグループが、かなりの確率でいるような気がしました。
歓迎のダンス
歓迎の踊りで幕明けです。はじめは6人が2組の対で舞って、あとで主役の2人がやってきます。黄色、ピンク、紫などカラフルな布を片肩から垂らした衣装がきれいです。この踊りには祝福の意味があって、結婚式や家を新築したときの棟上式の際に必ず舞われるのだそう。
ラーマ王子とトッサカンの戦い
次の舞台では、日本のお祭りで見る山車のような、豪華な乗り物が出てきました。
上に鎮座するのは、ラーマ王子。
古典『ラーマキエン物語』の一場面、ラーマ王子が、鬼の国の王であるトッサカンに連れ去られた婚約者シーダー姫を取り戻すために戦う場面です。
戦いとはいえ舞踊上のことなので動きはいたってたおやか、優雅そのもの。「王子、そんなんじゃだめだ!」と思わず檄を飛ばしたくなったナビです。でもところどころで、“ダン!”と足を踏みしめて見えを切る歌舞伎のような瞬間もあって、静と動が程よく入り混じった出し物でした。
イサーンの踊り
次は、イサーンと呼ばれるタイ東北地方のダンス。田植えの合間に踊る若い娘さんたちの舞いです。日本にも田植え歌や茶摘み歌があるように、タイにもこういうものがあるんですね。同じお米を食べる民族として、親近感が沸きます。
衣装に使われている織物も、イサーン地方独特のひし型や幾何学模様の細かい模様が織り込まれたもの。田植え娘らしくすその短い衣装でリズミカルに踊る姿はとてもかわいらしくて、イサーンの村の若い衆にこうやって踊る姿を見初められたりするんだろうなぁと、遠く農村で芽生えるちいさな恋にまで思いを馳せるナビでありました。
これぞタイダンス
高い冠を乗せた頭で、しずしずと登場する踊り子さん。これは仏教をもとにした衣装で、タイダンスといえばこのスタイルを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ここでも、『ラーマキエン物語』からの、ハヌマーンという白猿が姫を追いかけるという逸話が演じられます。あの手この手で姫の気を引こうとするハヌマーン、「わたくしをつかまえることはできなくてよ」と寸でのところでひらりと身をかわす姫、つかまりそうでつかまらない、という設定にやきもきするナビ。
と、ここで姫がつつつ…と舞台から降りて客席へ。もちろん姫を追ってハヌマーンも客席に降りて来るのですが、そこは猿、いかんせん落ち着きのないハヌマーン、お客さんにみずから握手を求めたり写真を撮ったり、寄り道しまくりです。お客さんによってはすげない態度をとられたり無視されたりもしますが、決していじけたりしないからさすがです。ナビのところにも来て髪の飾りを取ろうとしたのは、冒頭でご紹介した通りです。そんなハヌマーンとお客とのやりとりを、優雅に舞いながら「おほほ」という感じで見ている姫は、とっても美しかったです。最後はハヌマーンに手をとられて舞台のそでに消えていきました。一件落着、気をもんでいたナビも安心です。
スコータイ
次の舞いは「ラバム・スコータイ」といわれる、14-15世紀のスコータイ時代の舞いです。この時代はクメール文化の影響を強く受けた時代で、それが衣装や背景に表れています。一口に「タイ舞踊」といっても、時代や地域によって衣装から踊り方からがらりと違うんですね。それがこんな短時間で次々見られて得した気分です。
ラストはみんなで
最後は、「ラム・ウォン」、これは「輪になって踊りましょう」という意味で、いうなれば日本の盆踊り。出演者総出で輪になってダンスです。と思いきや輪が崩れて…。
あ、この流れはもしや…、やっぱり!客席に一緒に踊りましょうとお誘いにやってきます。どうしよう?ナビも立候補しようかな?でも恥ずかしいしお腹もいっぱいだ…。と躊躇している間に、ナビをあっけなくスルーした出演者たちが、それぞれスカウトしたお客さんと舞台に引き上げ踊りはじめました。振りは手を上げたり下げたり本当に盆踊りのような単純さなのですが、ステップが難しそう。フランス人とおぼしき(ナビ推)レディたちの踊りがすごく様になっていて、やっぱり行かなくてよかったーと安堵するナビでした。
お別れ
- 帰りは、出口でみんながお見送りしてくれます。さっきは踊りに参加できなかった小心者のナビ、このときとばかりに、一緒に写真を撮ってもらいました。
最後まで笑顔を絶やさない出演者のみなさんに手を振ってお別れです。
いかがでしたか?
美味しいタイ料理と、楽しいタイダンスのフルコース。肩肘張らずにカジュアルに楽しめる雰囲気なので、食事、ダンス観賞、そして自分も踊っちゃおう、などなど、好きなところに重点を置いて好きなように楽しめます。とってもタイらしいこんな夜は、いかがでしょうか?
以上、バンコクナビがお送りしました。