【キングスカップ】セパタクロー

9月2日から7日まで、バンコクで行われたセパタクローのメジャー大会『キングスカップ』にナビが潜入。日本人選手の応援をしてきました!

こんにちは、バンコクナビです。
皆さん、セパタクローってご存知ですか?日本ではあまりメジャーではありませんが、ここタイでは学校で普通に習う一般的なスポーツなんです。タイに来たことがあれば、公園や街中の広場でプレイする姿を見たことがある方も多いはず・・・。
今日は9月2日~7日、バンコク郊外にあるファッションアイランドというショッピングセンターの特設会場で開かれたセパタクローのメジャー大会、『キングスカップ』にナビが突撃!日本チームの戦いぶりをフォトレポートでお伝えします。

~セパタクローとは~
セパタクローは東南アジアに古来より伝わる伝統的なスポーツです。セパタクローの『セパ』はマレー語で蹴る、『タクロー』はタイ語でボールという意味というところからも東南アジアとの繋がりが深いスポーツであるかがわかりますね。
セパタクローは直径13.5?(女子は14?)のプラスチック製ボールを使い競技しますが、ルールはほぼバレーボールと同じです。異なる点は、バレーボールが腕・手で競技するのに対し、セパタクローは脚や頭を使ってプレイすることと、相手コートに3回で返す際に同じ人が連続でボールにタッチしていいってところです。また、コート・ネットはバドミントンのそれと同じ大きさ、高さ(女子はやや低い)です。

さて、会場にやってきたナビ。今日は男子女子とも、日本VSタイの試合が組まれていました。セパタクローの試合といってもチーム戦・3人一組で試合をするレグ戦などがありますが、既に大会日程も佳境。チーム戦は終わっており、本日は『ダブル』と呼ばれる2人が1組となり対戦する種目です。
タイとの対戦ということで、日本チーム全体の士気は高まっています。
◎ 女子ダブル
試合開始時間が近づいて来ました。
まずは入念にストレッチ。セパタクローは体の柔らかさ、しなやかさが勝負!それにしても身体が柔らか~い!ストレッチ後は軽くウォーミングアップです。
☆ いよいよ試合開始。
日本:奥千春(3番)・青木沙和(12番)  控え:矢島歩(6番) VS タイ:ティダーワンダオサグン(6番)・アーリラッドターカン(1番)

■ 前半

日本のサービスで試合開始されました。日本チームからは大音量の声援!チーム一体となっての応援です。
小さなボールをコントロールする繊細さ、そしてアタックのダイナミックさ、世界レベルのセパタクロー試合を見たことがなかったナビ、圧巻です・・・。
試合はタイ側優勢で進みます。
5対9とタイに4点差をつけられたところでタイムアウト。女子チームの嵐コーチから細かい指示が・・・。劣勢をひっくり返せるか!?
アタックには大きく分けて2種類あります。1つはシザーズアタックと呼ばれるアタックの際挟みのような形になるアタック方法。もうひとつはローリングアタックと呼ばれる身体を回転させてアタックするアタック方法。シザーズアタックは勢いはそれほどないものの細かいコースをつくことが出来、ローリングアタックはとにかく身体の回転をボールに乗せることで勢いのある球を打つことが出来ます。日本はシザーズアタックを、タイはローリングアタックを得意としてるとのことです。
試合は終止タイペース。前半は9対21で終了です。

■ 後半

後半の開始です。後半も最初の数点までは競っていたものの、やはりタイの壁はそうそう乗り越えられるものではなかったようです。前半と同じく9対21で終了です。
残念ながら、日本敗退。しかし、日本のレベルの高さを証明しました。仲間も温かく迎えます。

◎ 男子ダブル
次は男子のダブル。今までタイには勝ったことがないとのこと。この一戦で意地をみせたいところです。ウォーミングアップで試合に備えます。
日本:寺本進(1番)・松田祐一(7番)  控え:飯田義隆(12番) VSタイ:レーワットパープチョムプー(1番)・ソンピタックシーリング(3番)

■ 前半

試合開始です。今までタイに勝ったことがないなんて信じられないほどの接戦です。
むしろ、日本がタイよりやや優勢で試合を進めていきます。応援団はいけいけムード!
9対7日本リードでタイ側がタイムアウト。このままの調子でいけるか!?
その後も日本やや優勢で試合が進みますが、タイも離されまいと必死!お互い我慢の時間が流れます。
19対17!日本あと1点というところ、やや緊張したのか細かいミスが続き、19対19の同点へ。そしてその後20対20の同点ジュースとなります。あと2点先に入れたほうが勝ち・・・。
そして・・・、残念!あと一歩のところで日本敗退です。タイの土壇場の強さはさすが。

■ 後半

前半の調子ならば、後半にも期待できます!
しかし、最初の数点までは競っていたものの徐々に離されていきます。ここにきてタイチームの勢いが最高潮に!
終わってみると、13対21という結果。残念ではありますが、タイチームをジュースまで追い込んだ日本チームの実力はさすが。

◎ 試合を終えて
男子ダブルと女子ダブル、相手を十分苦しめましたが、残念ながら勝ち進むことはできませんでした。やはり、タイは強い!日本選手は全て大学から始めた人ばかり。特にサッカーから転向した人が多いんだとか。日本のセパタクローの裾野が広がればタイに追いつき追い越すのはそれほど遠い未来ではないと感じました。
試合を終え全体でミーティング。まだまだ、試合は続きます。気持ちを入れなおして出直しです。
◎ 好きだから・・・
試合を終えた男子チーム・女子チームの皆さんに少しお話を伺いました。

日本男子:寺本進選手・松田祐一選手・飯田義隆選手
ナビ: セパタクローの魅力って何ですか?
寺本 :足技ですね。ダイナミックな動きが一番の魅力です。
松田 : 私もそう思います。アタックを打つ時などのダイナミックさは他のスポーツにはないと思います。また、日本では競技人口が少ないので比較的日本代表になりやすいっていうのも魅力かもしれません。

ナビ : 今日の試合振り返っていかがですか?
寺本 : 前半タイをあそこまで追い込んで最後に逆転されてしまった。最後の最後まで100%の力を出せなかったのが残念。
松田 : 逆転されてしまったのは、僕のミス。・・・悔やまれます。
ナビ : 日本では競技人口の少ないセパタクローですが、興味ある人に一言どうぞ。
飯田 : とにかく一度試合を見にきて欲しい。世界レベルの試合をみればその魅力をわかってもらえると思います。それに、バドミントンと同じコートを使うので、ほんと始めやすいスポーツなんですよ。
ナビ : 最後に今後の目標は?
皆さん : 12月のアジア大会で金メダルを目指します。

日本女子:奥千春選手・青木沙和選手
ナビ: セパタクローの魅力って何ですか?
奥 : ダイナミックな動きと女性でも挑戦できるってところですね。細かい足技も魅力
ナビ : 非常に独特な動きをしますよね。
青木 : そうそう、見たことのない動き。だから、みんなに見てもらいたいんです。
ナビ : 今回タイに来てどうですか?
青木 : タイにいると集中できる。日本だとアルバイトとか忙しいんですが、今はセパタクローのことだけ考えていられるから。
ナビ : 日本だとスポンサーの獲得など非常に難しいと聞きます。アルバイトして遠征も自費で参加して・・・、と非常に苦しい状況におかれていると思いますが、それでも続けるのは?
奥 : 好きだから、やりたいから、上手くなりたいから・・・。それだけです。
ナビ : 試合を終えて、日本チームは敗れてしまいましたが、日本チームに足りないものとは?
奥 : 相手チームは日本チームにない全てを持っています。特に安定性、もっと練習して完成に近づきたい。
ナビ : 次の目標は?
皆さん : 12月のアジア大会での金メダルです。

セパタクローに関しては全くの素人だったナビ。しかし、今回キングスカップを観戦してセパタクローファンになってしまいました。繊細さと力強さの両方の魅力を持つセパタクロー、是非近くで開催される際は足を運んでみてはいかがでしょうか。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-09-22

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