【※閉店】ジョールイス・トラディショナル・タイ・パペットシアター

Joe Louis Traditional Thai Puppet Theater นาฏยศาลา หุ่นละครเล็ก (โจหลุยส์ )

閉店・移転、情報の修正などの報告

命を吹き込まれた操り人形による劇で、タイ古典文化の世界に触れてみませんか。

サワッディーカー、バンコクナビです。
タイにいると、ふとした瞬間の女性の手の動きの優雅さにはっとすることがありますが、そういった微妙な動きや表情を人形に託してタイ古典を演じる人形劇の伝統が、タイにはあります。 
人形劇とはいえ、動きはタイ伝統舞踊にもとづいているので、人形の使い手にはタイ舞踊の素質が求められ、人形と共に舞台に立ち劇を演じることとなります。
今回ナビは、この一味違ったタイ文化に触れるため、スワンルムナイトバザールにある『ジョールイス・トラディショナル・タイ・パペット・シアター』に行って来ました。
行き方
『ジョールイス・シアター』があるのは、スワンルムナイトバザールの中、Cゾーンという、レストランが多くあるエリアです。 玉を抱えた大きなヤック(鬼)の姿が目印です。 スワンルムナイトバザールへは、地下鉄MRTを使えばとても便利。3番出口を出た裏手にある駐車場を抜けて左に曲がれば、すぐ到着です。

★ 外観

ジョールイスシアターは、伝統的なタイ建築の建物。 正面左脇に鎮座している像『ラーフー・オム・チャン』は、“月を抱えたラーフー悪魔”という意味、月食が起こるのは、悪魔“ラフー”が月を飲み込むためであるという説話の一幕です。

★ 内観

シアターの開演は18時。 早速中へ入ってみましょう。 操り人形劇はタイ語で『フン・ラコーン・レック』、日本で言う文楽のような伝統人形劇です。 その歴史はアユタヤ時代に遡ることができますが、時代の波にさらわれ、いつしか消えてしまいました。 それをしのびないと感じたジョー・ルイスことサーコーン・ヤンキョーオソード氏が1985年に『フン・ラコーン・レック』を復刻させたのが、ジョー・ルイスシアターの始まり。
この2006年には、『プラハ国際パペットアート賞』のベストトラディショナルパフォーマンス賞を受賞、そのすばらしさが世界に認められました。
正面入って右側の奥は、人形の作り方を見せるパネルや、古く歴史ある人形の展示があるスペース。 なんでも『フン・ラコーン・レック』は、【1】人形師が人形を作る技術、【2】織物が衣装を織る技術、【3】人形使いの技術、【4】音楽の技術、【5】舞台の設定の技術、5つの技術が集結してはじめて完璧なものになるのだとか。
見えないところにも人々の努力や技が注ぎ込まれた伝統芸能の奥深さに早くも感動のナビ。あぁ、早く劇をこの目で見たい!

★ 上演前

午後7時。 上演1時間前に人形が登場、間近でご対面。 見れば見るほど精巧に作りこまれた人形ですが、そのままではやはり無表情。 それを人形使いが操ることでまさに命が吹き込まれたかのごとく生き生きと動き出すのにびっくり。 人形との記念撮影後も、操っている人ではなく、人形に「ありがとう」と言ってしまったナビなのでした。

★ 上演

演目は古典『ガネーシャの誕生』
午後8時、いよいよ1時間15分にわたる劇のはじまりです。 ホールの座席は全部で414席。 上映される演目は半年~1年に1度組み替えがあり、いずれもタイ古典を出典とした物語です。 今期の演目は、万能の神として知られる、象の頭をもつヒンドゥー神ガネーシャの誕生物語。

**以下一部ネタバレあり
まずは登場人物の紹介。 そして上演中は、語尾をビブラートをきかせて長く伸ばす、まるで祝詞のような調子のタイ古語での解説がなされ、外国人は神妙な古典の雰囲気を味わえます。 左右のスクリーンに英語であらすじの説明が入りますが、うす暗いのとそんなに大きなスクリーンではないのとで、英語ネイティブなら役立つかな、という程度。
舞台は天界、破壊の神であるシヴァとその妻パールバーティーの出会いからです。
晴れて夫婦になったシヴァとパールバティーですが、2人の間には子供がいませんでした。 それをさみしく思いつづけたパールバティー。 流した涙と垢が彼女の息子となりました。
自分の入浴中には息子に門番をさせていたパールバーティー。 長く姿を見せなかったシヴァが家に戻ってきたとき、親子同士だとは知らない息子とシヴァは激突、その結果としてシヴァは雷を落として息子の首をはねてしまいました。
それを知って悲しみに暮れるパールバーティー。 
泣き暮らす妻を不憫に感じたシヴァ、従者に命じてはじめに出会った者の首を息子の頭につけて生き返らせることにしました。
そして従者がはじめに目にしたのは象。 そこで象の頭が息子の首に継がれ、ここに象の頭を持つ神ガネーシャが誕生することとなりました。
ちなみに、ガネーシュの牙は1本が折れています。 これはは、ガネーシュが仙人に詩を書き記すように言われたときにペンの代わりに自分の牙を折って書いたという逸話があり、これが万能神ガネーシャが特に智の神として崇められている由来です。

★ 上演後

上演後は、ベンジャガイ女王とハヌマーン白猿の人形がお見送り。 もちろん記念撮影もOK。 王女はあくまで品良く、対してハヌマーン猿は女性を見るとすぐにちょっかいを出したりして、本当に落ち着きがありません。 それにしても、いたずらっぽい表情がどうしてこんなにリアルに出せるんでしょうか。 本当の猿より猿らしいかも!

★ お土産

お土産を選ぶのもお楽しみの一つ。 ブローチ140バーツ、額195バーツなど、小さなものでもインパクトがあります。 ポストカードは10バーツ~。 クレジットカード(ビザ・アメックス・マスター)は、2000バーツ以上の買い物の際に使用可能です。

★ レストラン

シアターに併設されるレストラン、今日ナビがいただいたのは、[豆腐と海苔と豚ミンチのクリアスープ] [野菜のオードブル] [野菜春巻き] [揚げ空心菜のサラダ] [ツナサラダ] [海老と卵のタマリンドスープ] [鶏肉のカシューナッツ炒め] [海老のグリーンカレー] [バナナのココナッツミルクがけ]。ジョールイス シアターの辞書に手抜きという文字はありません。 見た目も味も申し分なしです。(メニューは変更される場合があります。

いかがでしたか?
人形作り、織物、人形使い、音楽、舞台、5つのタイ伝統の技がしっかりつまった『フン・ラコーン・レック』の魅力を5感をフル活用して感じ、すっかりタイタイ(タイらしい)な気分になって帰途に着くナビでした。
以上、バンコクナビがお伝えしました。

記事登録日:2008-03-26

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スポット登録日:2008-03-26

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