タイのお好み焼き / ออส่วน
“タイのお好み焼き”と紹介されることが多いオースワンですが、お好み焼きというよりは、見た目も味も、韓国のチヂミにより近い料理です。タイ料理は、材料名や調理の仕方がその料理名になっていることがよくありますが (例えば『トム(煮る)ヤム(辛味をつける)クン(エビ)=エビの辛いスープ』や、『カオ(米)パット(炒める)=焼き飯』など)、タイ語で『オースワン』は、この料理の名前専用の言葉であって、特に他の意味はないそうです。
でんぷんで作った生地に牡蠣を混ぜ、卵と一緒にたっぷりの油で揚げるように焼いて作ります。それが、1枚まるごと、もやしを敷き詰めた丸い鉄板に乗って出てくるという大胆さ。ジュージューという音と立ち上る湯気に包まれて運ばれてくる様は、かなりインパクト大で、これでもかとばかりに食欲を刺激します。
牡蠣の濃厚な磯の旨みを余すことなく包む、もちもちの生地。甘酸っぱいチリソースをつけて食べるのですが、これが意外なほどよく合います。牡蠣エキスを吸い込んだ卵も、しっかりと自己主張しています。
ともすれば脂っこくなりがちなオースワンですが、水気をたっぷり含んだシャキシャキのもやしがそれを上手く押さえてくれ、一口食べれば、もう一口食べずにはいられない美味しさです。
オースワンと似たような料理に、ホイトートがあります。材料はほぼ同じですが、じゃぁどこが違うの?といえば、その食感。ホイトートは、『ホイ(貝)トート(揚げる)』という名の通り、揚げ物の要素が強く、パリパリとした食感が特徴です。
牡蠣好きにはたまらない1品ですが、お腹に自信のない人は、屋台ではなく衛生管理のきちんとしていそうなお店を選ぶのがベターです。
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記事登録日:2005-08-17