カラバオを知らなくても在タイのみなさんならきっと耳にしたであろう曲があります。
04年暮れに起きたスマトラ沖地震による津波はタイでも多くの被害をもたらしました。エートも身内ともいえる親しい知人をその災害で亡くしています。彼はすぐに鎮魂歌ともいえるアンダマンの涙を作曲しました。その歌は救助活動を映しだすTV画面を通じてずっと流れていました。
また、タイ南部における紛争は未だに解決の糸口が見いだせていません。そうした社会情勢に向け「タイ人の心はひとつじゃないか!」と歌ったクワーンタイチャイヌンディアオも、ひところTVで繰り返し流れていたので耳にされた方もいらっしゃるでしょう(この曲は最近またTVで流れています)。
2時間のステージは新旧とりまぜた曲目が披露されます。古い曲が回顧でなく今なおアツい歓迎を受け、支持されている様には驚かざるをえません。“メイドインタイランド”“ジャオタック”“ガンジャー”“ブアローイ”“タレーチャイ”などなど。
エート:ボーカル、ギター |
レック:ボーカル、ギター |
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ティアリ:ボーカル、ギター |
オット:ギター、ボーカル |
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ドック:キーボード、トランペット |
ミー:ギター |
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ゴー:パーカッション |
ウアン:パーカッション、サックス、クルイ |
まず、ライブでのエートの歌声が聴衆の心をとらえます。彼の声は私たちが日ごろ無意識にガードしている己の心に、そうしたガードをするりと突き抜けるように届いてきます。それは、自分が今生きているということを思い出させる感覚でもあります。大げさにいえば、エートの声は人々の心を解放させていく。聴衆を前にした時の彼の歌声、それはCD等に記録された音では伝わりきれない生命力を持っています。
その後ボーカルが交代しそれぞれ違った個性・魅力の饗宴となります。重なる音の楽しさに、心地よい時間が過ぎて行きます。各自の音楽的テクニックは揺るぎなく、約2時間というもの、たたみかけるようにひたすら演奏が続きます。
心が解放されていく心地よさ、さまざまな個性の魅力、テクニックに裏打ちされた演奏の楽しさ…これらが聴衆を惹きつけてやまない彼らの魅力でしょう。
以上バンコクナビがお伝えしました。
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記事登録日:2009-12-11