体当たり異文化初“タイ”験、第1回~血沸き心踊る初訪タイ

徐々に見えてくるタイ独自の不思議な社会!

空港が最初の関門

初訪タイは昨年9月。語学が堪能な訳でもなく、それまでの海外経験は、香港や台湾旅行が数回といった程度なので、私自身タイの位置付けは「難易度やや高」。
ガイドブックや知人の話などからすると、「まず空港からの移動でひと悶着あるケースが非常に多い」と。運が悪ければ法外な料金を要求される場合あるという事で、一体これは何というところなのか? と、おっかなびっくりスワンナプーム空港に降り立ちました。
入国手続きと税関を通り、到着ロビーに出るとズラッと回転扉が。でも回っていたり止まっていたり。どこから外に出たら良いのか? 窓越しに外を見ると、空港係員なのか客待ちのガイドか運転手なのか、あちこち集っている様にも見え、迂闊に外に出ると捕まってしまうのではないかと、非常に心拍数が高まってきました。


知人からメータータクシーは3番か7番出口だったはずと聞いていたのですが、7番出口の回転扉は止っていて、ここから出て良いのかどうか分からず、もう一つの3番出口付近では、柵で通路が仕切られていて警備員らしき人もおり、先には出迎えの人なのかたくさんの人たちが。ここを通り過ぎたらもう元の安全地帯には戻れないのではと感じ、どうしたものかと、しばらく行ったり来たり彷徨っていました。
案内ブースのようなところも散見されましたが、その前にはスタッフが多数待ち構えているので、恐れ多くて尋ねようにも尋ねられず仕舞い。意を決して外に出て、最初AOTのリムジンカウンターを間違えて訪ねてしまったものの、どうにか10番出口の所にあったメータータクシー・カウンターへ。外国人旅行者の列に並び、ホテルの予約書と地図を見せて行き先を伝え、伝票を受け取り、緑と黄色のタクシーに案内されました。
車内で再度、運転手と片言の英語でどうにか行き先を確認し、走り出しました。ようやく荷物を降ろして座席に座れた安堵感で、暫く涼んで少し気分が落ち着いて来た頃、ふとメーターのことを思い出し、ちらっと覗いて見ると、画面が黒いまま光る赤い数字は何処にも無く。一瞬、「エッ」と、また少し動揺が。


でも、よく見るとスピードメーターも動いておらず、「ひょっとしたらこんな物なのかも知れない? でもそれじゃあどうやって値段を算出するのか? とはいえ一応きちんとしたカウンターで申し込んだのだし。運転手に尋ねようにも英語も殆ど通じないしどうしたものか? でもまあ何とかなるか!」などなど、心中やきもきしながらも無事に目的のBTSサラデーン駅近くにあるホテルに到着。
しかし、荷物を降ろして値段を聞くと、「500バーツ」。高速通行料などを含めたとしても、予め教わっていた目安からしたら高い値段。でも、運転手がニコニコ愛想よい表情だったので、まあいいかとそのまま支払いました。もしかしたら最初から500バーツという話だったのか、それとも騙されてしまったのか? 今となっては知る術もないですが、良い授業料だったのかも知れません?

(編集部注)
タクシーを利用する時は必ずメーターが動くのを確認してからにしましょう。
怠ったばかりに。1人当たり500B取られたというナビの知人(3人組)もいます。

その後、何度か空港の乗り降りを経験したので、最近は幾分あの「タクシー・タクシー、サー」「ウェアーユーゴーッインッ?」の連呼にも慣れてきました。
ですが先日、夜10時半頃の便で到着した時のこと。下りエスカレーターの手前でガイドに声を掛けられたので、バスに乗るのだと伝えると、一言「フィニッ!」。一瞬心配になってしまいましたが、バスはもちろん運行時間内。
「嘘をつくな!」と腹立たしくも感じましたが、それが商売の手口なのでしょうか?でも、バンコクの空港は近隣の国の空港と比べるとまだおとなしい方だとか。バンコクの空港で怯んでいるようでは、まだまだ世界には程遠いということなのでしょう。


施しする人、される人

バンコクでの暮らしが始まり、BTSの駅前や人通りの多いところを歩いていると、かなりの確率で物乞い(適切な表現かどうかは判りませんが)の人たちに遭遇します。
子供連れの女性や失明した人、足や手が切断されて無くなっている人、這いながらお金受けのコップを持つ人、更にはひとりぼっちの子供までも。中にはそれを生業としているような人もいるらしいと噂に聞いたりしますが、目を背けたくなるような身体の状態の人も。
最初に見た時は非常に衝撃を受けました。
「自分はどうしたら良いのか? どうすべきなのか」と。その一方で、年中いつでもという訳ではないようですが、学生グループなどが掲示物などを作って募金を呼びかけている姿も多々見られます。実際、通りすがりに多くの人がお金を入れているのを目にします。
よく言われるように、タイでは貧富の差が大きい反面、持てるものが持たざるものに手を差し伸べる相互の助け合いの関係が(まだ?)成り立っているということなのかもしれないと感じました。

自動車運転の腕前は?


車やバイクと歩行者、日本では疑う余地無く「歩行者優先」ですが、タイでは正反対。どうも「自動車優先」のようです。
街角を歩いていると、後ろから曲がってきた車にはねられそうになることもしばしば。大通りで進行方向と同じ車線側の歩道を歩き、ソイを横切る際には一旦停止して後ろを振り返って安全確認をしなければなりません。何のためらいもなく左折してくる車やバイクが多いためです。
自分の安全は自分自身で確保するのが海外生活の基本。
日本のような運転免許教習など無いそうなので、致し方ないのでしょうか? でも、郊外のハイウェイでは130キロ前後のスピードが普通のようで、ピックアップトラックの荷台に数人乗せて走っていたり。アウトバーンさながら? 怖いもの知らずと言うのか何と言うのか。
でも反対に小回りは苦手なのか、大通りからソイに入る車とソイから出てくる車が睨み合っている状況をよく目にします。日本人としては「もう少し小回りすればスムーズに行くんじゃない?」 とツッ込みたくなるような場面です。

(編集部注)
通りや歩道を逆送してくるバイクにも注意しましょう。警察官でさえ逆送して来ます。

ハイソ(High Society)への憧れ?

タイやタイ人のイメージとして「貧富の差が大きい」、「階級や階層の意識が強い」「プライドが高い」などと良く耳にします。
また、「タイ人は自分が大好き」とも。「hi5(タイ人の間で一般的なSNSサイト。国籍も言語も人種も多種多様です)」のトップページには、満面の本人の顔写真。個人情報保護が声高に叫ばれる日本人の感覚からすると、タイ人のように強烈に自分をアピールするのはなかなか大変。気恥ずかしさが先にたちます。
売場に並んでいる財布には必ずと言っていいほど、免許証入れのようなショーケース付き。街中では鏡やガラスの前で長い間、自分の髪型を入念に整えている姿も頻繁に見られます。

ある人の見解では、「現在のこの国は以前の日本のように経済的に発展している途中なので、物質至上主義、お金が全てのような感覚も多々あるように感じる。」とのこと。
いろんな要素が相まって、中身でなく見た目重視ということになっているのでしょうか?
そういう理由もあってか、香水・デオドラントが充実しているようにも思います。先日旅行したシンガポールの地下鉄の第一印臭は汗臭い or 人間臭い感じでしたが、それに比べてタイのBTSは、概して芳香・上品ではないかと感じました。日々野菜や香草をふんだんに使った料理を食べているせいもあるのでしょうか?

次回へ続く。
関連タグ:異文化交流

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記事登録日:2009-06-17

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