【防犯ナビ】油断大敵、甘い話にご用心! ひったくり、追いはぎ、睡眠薬強盗。

旅行者がターゲットの犯罪は年々増加傾向。知っていたほうが安心な“転ばぬ先の杖”第3弾!

油断大敵、甘い話にご用心! ひったくり、追いはぎ、睡眠薬強盗。

サワディーカポム。バンコクナビです。

日本人観光客だけでも100万人を超えるといわれている観光立国タイ。その明るいイメージと相反するように、在タイ日本大使館の邦人保護件数は毎年2000件近く、その件数は10年以上に渡り世界の日本大使館の中でもトップの件数です。

景気の悪化で犯罪発生率も上昇するだろうと言われている昨今、「転ばぬ先の杖」とまでは行かないかもしれませんが、知らないよりも知っておいたほうがお得な、防犯に関する情報を定期的にお届けしています。

今回はいわゆる「強盗」の類にスポットを当てます。時には命に関わることもあるだけに、油断や甘い話には充分ご注意ください。ナビとしてもやたらとバンコクの危険さを煽るつもりはないのですが、日本人がターゲットになることが多いだけに、予備知識としてみなさんの「もしも」の時に役立てば。というのがナビの一番の願いです。

【防犯ナビ】バックナンバー

第1回 「スリ被害多発中! ご注意ください。(スリの手口最新情報)」

第2回 「知略の攻防! 隙の探りあい、はたまた先手必勝か。(盗難について) 」

トンロー界隈の一人歩きにご用心。

まずは、スリというか引ったくりと言うか何とも形容しがたい犯罪です。
前を歩く人が突然、小銭などを落としそれを拾おうとしゃがみこみ道を塞ぎます。そのときにあなたが一緒に立ち止まったり、一緒に拾うとした瞬間に後方からやってきた仲間が、財布やバッグの中身を掏ってしまうという手口です。

このところ、ソイトンローで頻発していると言いますので、今後もスクムビット界隈を転々としながら発生すると思われます。
「落としたものを拾ってあげよう」という下手な親切心が仇になるパターンです。
在タイ国日本大使館からも注意情報が出るほど一般的になりつつあります。

夜道はどこにいても注意が必要です。

第1回でお伝えした、アソーク界隈でのスリ集団同様、夜間は至る所に犯罪の危険性が待ち構えています。日本人が多く見かけられるスクムビット通りのうち、比較的暗く人通りも少ない、ソイ25~29界隈、ソイ26などは毎年、強盗被害が聞かれます。後ろから走ってきたバイクがバッグをひったくる際に引きずられ怪我をしたり、酷いときにはまず後ろから殴られ、それから持ち物を奪われるといった手口による被害者が多く出ています。

夜道を通るときはタクシーを利用するのが一番ですが、止むを得ない場合には後方に充分注意を払い、一人歩きを避け、歩く際にはバッグを車道側に提げずに、必ず歩道(建物)側に提げるようにしましょう。

バンコクではスクムビット界隈だけでなく、ランスアン通りやシーロムエリアなどでも被害報告が聞かれます。加えて、観光客の多いエリア(パタヤ、チェンマイ、プーケットなど)には必ず旅行者をターゲットにした犯罪者グループがいますのでくれぐれもご注意下さい。

無償の善意にご用心! 睡眠薬強盗

旅先での現地の人や同じ旅人同士の交流は旅行の醍醐味です。しかし、一歩間違い犯罪に巻き込まれると身包み剥がされることになりかねません。旅行中の危機管理は基本的に自己責任です。どこにどういった手段で移動し何を行うのか、誰を信用するのかといった、日本ではとりたて心がける必要のない事に注意を払わなければならないのは海外旅行の基本ともいえます。

その最たるものが、睡眠薬強盗。飲み物や食べ物をシェアするという何気ない行為にリスクが潜んでいます。
仲良くなった人(現地の人や旅行者)から貰った飲み物や食べ物に睡眠薬(それ以外のものもあります)が事前に入れられており、酩酊状態になったところで身包み剥がされるという手口です。以前から頻繁に聞かれるのはバンコクからタイ南部(プーケットなど)へ向かうツアー会社の運行するバスなどや、バンコク都内ではスクムビット通りBTSナナ駅~アソーク駅にかけての深夜の食べ物屋台などです。

「睡眠薬」と言いますが、合成麻薬(エクスタシーなどのような錠剤状のもの。タイでの通称はヤーバー)が使われることも多々あります。また、酔った人の方が即効性が高い(洒落にならないくらいの酩酊状態・前後不覚・記憶欠如になります)こともあり、繁華街でお酒が入った人が狙われやすいようです。

その際に媒体として頻繁に登場するのがコーラです。世界中である意味最もポピュラーなことに加え、コーラの黒が混入された異物を隠してしまうため事あるごとに登場します。加えてガムやキャンディを使った手口も有名です。

前後不覚に陥るほど、お酒で深酔いしたことのある人には分かると思いますが、あの状況で所持品をキープするのは容易ではありません。口に入れたが最後です。
スクムビットの屋台街

スクムビットの屋台街

ナビが知る限りで最悪のケース、ある男性の場合はこうでした。
スクムビット通りソイ4のチムチュム(東北部の鍋料理)屋台で深夜、相席になったオカマ2人組と鍋を囲み、会話を楽しんでいると異様な眠気に襲われ、介抱されるかのようにタクシーに乗り込んだところで記憶は完全にフェードアウト。意識が戻ったときには、顔は形が変わるほど腫れ上がり、全身打撲で病院のベッドの上だったと。

意識のない間に身包み剥がされパンツ1枚にされるだけでなく全身を殴られたうえ、交通量の多い車道に放り捨てられたといいます。たまたま通りかかった人が歩道に引きずり上げ救急車を呼んでくれたこともあって九死に一生を得たと言います。「睡眠薬強盗ここに極まれり」といった感です。

このケースでは、狙われたのはあくまで「金目のもの」ですが、若い女性の場合は“貞操ごと”持って行かれますので更にご用心下さい。ちなみにこの場合の主な犯行現場はディスコになります。正確には貞操のついでに所持金も持ち去る場合が多いようです(お金目的の人はディスコに入るお金さえ持っていない場合がほとんどですので……)。

ナビが直接耳にした限りでは、薄暗い店内でタイ人がお酒を飲むときの定番「ハイボール(ウイスキー+ソーダ)」やお酒のコーラ割りに薬を混入するそうです。その際に1つ眉唾なのが「目薬」を使用する事もあるという点。
以前は目薬に含まれる「スコポラミン」という成分がこれに該当したようですが、今の日本では用いられることはないと言います。ただ、薬品の流通がさほど厳しくないタイのことですから「そういうことも、あり得なくはないかな?」というのが正直なところです。
さて、肝心の回避法です。

まずは「怪しい」と疑って掛かること。これが一番難しいのですが、これさえクリアできれば道は開けます。食べ物や飲み物など人から貰って口に入れるものはまず疑う癖をつける方が得策です。

「お腹いっぱい」と何度も断りましょう。それでも勧めてくるようだったら要注意です。
そういう場合は、逃げ場があれば良いですのですが、もし無ければ盛大にこぼしたり、ぶちまけたりしましょう。こちらも酔っ払っているのですから手許がくるって当然です。笑ってごまかしたら、あとは逃げるタイミングを見計らってください。トイレやお勘定など相手から距離を取る暇があれば、全力で逃げてください。

最後に、

最後に、

訪れた国々で現地の人々と触れ合うのは楽しいものです。「同じ釜の飯を食べる」コトをことさら大切に感じる我々日本人には思い切った判断が必要になります。

中には本当に善意の人もいるでしょうが、起きてしまっては取り返しのつかないことになります。こういった状況では自分の身を最優先にするのが得策です。

旅先でトラブルに巻き込まれないための予備知識。まだまだ続きます。
以上バンコクナビのレポートでした。
関連タグ:防犯強盗スリ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-03-11

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