灯篭流し ローイクラトーン 2006レポ

満月の夜を彩る、年に一度の行事『ローイクラトーン(灯篭流し)』レポート!

サワッディーカー!バンコクナビです。 11月5日、今夜はいよいよ、『ローイクラトーン』の日。『ローイクラトーン』とは、旧暦12月の満月の夜に、ロウソクを灯した灯篭(クラトーン)を流して(ローイ)、川を彩り感謝を捧げるという行事。タイ正月のソンクラーンと並んで、タイ人にとってとても大切なイベントなのです。
2006年のローイクラトーン当日の様子を、クラトーン作りから灯篭流しまで、ナビが余すところなくお見せします!

★ クラトーン作り

『今年は手作りのクラトーンを!』を合言葉に、バンコクナビ有志が当日の午前中からオフィスに集まり、クラトーン作りです。先生は、ナビのタイ人スタッフであるスパラークさん。
スタンダードなクラトーンは、バナナの花の芯を輪切りにしたものを土台にし、バナナの葉や花で飾りつけ、線香とロウソクを立てる、というもの。バナナは、実はもちろんのこと、その他の部分もこうして利用されているのですね。タイ人の生活とバナナがいかに密接につながっているのかを、改めて思い知るナビでした。
→ロイクラトーンの詳しい作り方はこちら
普段は陽気なスパラークさんも、クラトーンのこととなると真剣そのもの。「葉の大きさが揃ってない!」「貼り付ける角度が違う!」と、スパルタ方式でびしばしと喝を入れながら皆を指導します。バナナの葉は前もって布で拭いたり、バラや蘭の花びらを使った気の遠くなるような飾りをつくったり、ロウソクまでもぬかりなく装飾を…。
普段は『マイペンライ(気にしない)!』がモットーのおおらかなタイ人の隠れた繊細さを前に、感心しきりのナビ。タイポップスが流れるオフィスの1室で、談笑しながら和気あいあいと作業は続きます。

★ 完成

お昼ご飯とおやつの時間をはさんで、午後遅く、ようやくみんなのクラトーンが完成しました。手塩にかけて作ったクラトーン、感慨もひとしおです。それぞれが『マイ・クラトーン』を手に、思い思いに記念撮影。カップルは仲良く二人でパチリ☆ なんだか流すのがもったいないなぁー。

★ イベント

この日は、タイ各地でローイクラトーンにちなんだイベントやパレードが開催されます。ナビオフィスの前の道路でも、巨大クラトーンを掲げた賑やかな行列が通り過ぎていきました。

★ いろいろクラトーン

日本のお正月にしめ縄が売られるように、ローイクラトーンのバンコクの街中では、クラトーンが売り出されます。クラトーンには、趣向をこらしたさまざまなバリエーションがあり、見ているだけで楽しめます。アヒルのかたちをしたもの、風船でできたもの、そして環境保護の視点から生まれた、流せば魚のエサになるパン生地エコ・クラトーン、などなど。値段は、大体30バーツ~60バーツです。ナビの今年のメガヒットは、カメ型パン生地クラトーン!

★ いよいよ流します

ローイクラトーンの本番は、暗闇にロウソクの火が映える日暮れ後。雨季が終わり乾季にさしかかる11月は、日が落ちると涼しい風がそよぐ気持ちのいい季節です。手作りクラトーンを手に、いい気分で外へ繰り出したナビ一行、ここで2班に別れました。
『何てったってチャオプラヤー川で流したい』派の第1班はタクシン橋の港へ、『ロマンチックなのがいいな』派の第2班はベンチャシリ公園へと向かいます。バンコクでのイベントでネックになるのが、そう、渋滞。場所選びの決め手は、ずばり交通の便。どちらも高架電車BTSの駅から下車後すぐの場所にあります。

★ 本格ご利益派はチャオプラヤー川へ

第1班はタクシン橋へ到着。さすが人気スポットだけあって、すごい人出、道の両脇にはクラトーンや食べ物を売る屋台がたくさん出ています。
この港でクラトーンを流してしまってもいいのですが、あくまでも『チャオプラヤー川』にこだわるナビ班は、この日だけ特別に出る船に乗って川の上からクラトーンを流すことに。『ワットアルン(暁の寺)』の前で停泊する船から灯篭を流し、また戻ってくるというナイトクルーズも兼ねたこのコース、料金は1人50バーツです。
チケットを買って船に乗り込みます。頬にあたる夜風が気持ちいい。ライトアップされたエメラルド寺院などが満月に照らされ、一層幻想的に見えます。
暁の寺が見えてきたところでストップ、ロウソクに火をつけ、願い事をしてからクラトーンを川へ…。あれだけ手間と時間をかけて作ったクラトーンも流れてしまうとあっけないものですが、お寺のそばでローイ(流す)できたということで必ずやご利益があるはず、と満足のナビ団。港に戻り、サパーンタクシン駅からスカイトレインBTSに乗って帰途に着きました。

★ お手軽ロマンチック派は公園の池へ

第2班がやってきたのは、スクンビット通りにあるベンジャシリ公園。公園の中央にある大きな池でクラトーンを流します。ベンジャシリ公園の記事はこちら
どちらかというと家族連れの多かったタクシン橋ですが、ここでは恋人同士の姿が目立ちます。クラトーンを二人で持ち、『ずっと一緒にいられますように』との願いを込めて池に放ちます。池は川と違って流れがないので、ゆらゆらと揺れるクラトーンのロウソクの火をいつまでも眺めていることができて、とってもロマンチック。
タイ衣装を着た女性たちもしずしずとやってきて、願いを込めてクラトーンを流していました。伝統衣装を身に纏ったタイ人女性は、クラトーンに負けず劣らずとってもきれいです。こちらベンジャシリ公園も、BTSの駅から降りてすぐという好ロケーション、午前0時の最終列車を逃さなければ、行きも帰りも渋滞知らずです。

いかがでしたか?
みんなの願いを乗せて、チャオプラヤー川は今日も流れます。タイ人は、このイベントを機に、川への感謝、ひいては父母への感謝の気持ちを新たにするのだとか。穏やかなタイ人気質の秘密は、このチャオプラヤー川のゆるやかな流れにあるのではないでしょうか。
では、また来年のローイクラトーンでお会いしましょう!以上バンコクナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-11-07

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