ワットサケットのホムパーデーン儀式

黄金の丘=ワットサケットが年に一度赤い布で覆われる日を朝からレポートしてきました!

サワッディーカー!バンコクナビです。
バンコクにある「ワットサケット」というお寺をご存知でしょうか。別名「プーカオトーン(黄金の丘)」とも呼ばれる、小高い丘の上に建つお寺です。仏舎利(仏陀の御骨)が安置されているこのお寺では、年に一度仏塔に赤い布をかぶせる祭事が行われます。ローイクラトーン(灯篭流し)に向けて仏教行事が続く中、特に規模の大きいこの祭事にナビも参加してきました。

■赤い布に名前を書く

祭事の名前は「ホム(包む)・パーデーン(赤い布)」。11月5日朝5時。まだ暗いうちから信者が続々と集まってきています。その目的は、仏塔に巻かれる赤い布に自分や家族の名前を書くため。仏塔に直接触れるものに自分の名前があることはとてもありがたいことなのだそうです。というわけで、ナビも「Bangkok Navi」の名を連ねました。ご利益がありますように…。

■パレード

お膝元の学校の鼓笛隊や有志によるパレードです。
警官の騎馬隊も参加

■住職登場

ワットサケットのキアオ住職が姿をお見せになりました。とても温和な表情の住職さまです。再選されたばかりのアピラックバンコク都知事も参加、住職に向かって合掌します。説法にも熱心に耳を傾けていました。

■象!

タイの仏教儀式は象が重要な役目を担います。おぉ白象!と興奮しましたがさにあらず。色を塗って白くみせているのだそう、それでも十分崇高な感じがしますね。
住職さまこんにちは

住職さまこんにちは

バナナをいただけるんですか?

バナナをいただけるんですか?

ありがとうございます♪

ありがとうございます♪

■布を掲げて仏塔へ行進

タイ仏教では頭が神聖だとされているので、頭上に赤い布を掲げて丘の上の仏塔まで行進します。それにしてもなぜ長くて赤い布を巻くのか?仏陀の骨が安置されているお寺ということで、ナビは赤い布=血とみなして仏陀の骨に血を通わせることの象徴なのか…と深読みしましたが、居合わせたタイ人に聞いてみると「そんな話は聞いたことない」とつれない返答…。質問の答えの代わりに、「この儀式はラマ5世時代から続いていて、今年はちょうど100周年なのよ」という情報をもらいました。調べてみると、赤い布を袈裟に見立てて仏塔に着せるというのがこの儀式の本義なのだそう。黄色ではなく赤色なのは、スリランカ仏教の影響を受けているからとのことです。
ワットサケットのホムパーデーン儀式 ワットサケットのホムパーデーン儀式 ワットサケットのホムパーデーン儀式
ワットサケットのホムパーデーン儀式 ワットサケットのホムパーデーン儀式 ワットサケットのホムパーデーン儀式
ワットサケットのホムパーデーン儀式 ワットサケットのホムパーデーン儀式 ちなみに仏陀の御骨が安置されている本堂はこちら

ちなみに仏陀の御骨が安置されている本堂はこちら

■布を仏塔に巻く

仏塔の先端部までは78メートルの高低差があるワットサケット。頂上にたどり着いただけで一仕事終えた感が…。いよいよクライマックス、赤い布を黄金の仏塔に巻きつける儀式です。お坊さんの読経にあわせて信者も真剣にお祈りします。
赤い紐で布を操って、仏塔に巻いていきます。よく見れば仏塔の頂上に人が登って作業しています。そりゃぁ下からだけでは無理ですよね。やがて赤い布はすっぽりと黄金の仏塔を覆いました。

■お供え物の意味

儀式が無事終わって一段落したところで、お供え物がばらされ、信者はそれを自由に持ち帰れます。日本のおせち料理の材料に意味があるように、ここに備えられていた果物にもそれぞれ意味があるそうで…
バナナは、「難事を易くする」。報道カメラマンもバナナをもらってご満悦。
パイナップルは、「金運上昇」。こころなしかパイナップルを狙う人の眼が切実なような…?
ワットサケットのホムパーデーン儀式 ワットサケットのホムパーデーン儀式 このグループは色々手に入れました。▲
ジャックフルーツは「人を呼ぶ」、ココナッツは「高いところまでいける」。バナナを早速食べてますね。

このグループは色々手に入れました。▲ ジャックフルーツは「人を呼ぶ」、ココナッツは「高いところまでいける」。バナナを早速食べてますね。

丘から降りた後、赤い布をまとった仏塔の全体像を撮るために、少し離れた三叉路まで行きました。

■夜の部

行事には夜の部もありました。お坊さんが炎の灯ったろうそくを手に、仏塔まで上って読経します。
丘の下の特設会場では、住職による説法やスライドを使ったワットサケットの歴史の説明がなされました。
スリランカに出家留学中だったプリッサダーン親王がラーマ5世に献上したという仏舎利。これは古代インド文字で「ここに仏陀の御骨あり」という意味なんだそう。

■屋台

人の集まるところ屋台あり。「ポットドゥアン」と呼ばれる昔のお金に換金して買い物をします。金がひとつぶ20バーツ、銀が10バーツ、銅が5バーツです。
伝統的な食べ物がいっぱい。もち米菓子の入れ物が葉っぱだったり飲み物の容器が竹筒だったり、売り子の衣装も伝統衣装で風情があります。

■遊園地

仏教儀式にかこつけて仮設遊園地も登場。観覧車やメリーゴーランドもあって本格的。版権無視!のドラえもんとミッキーのコラボ風船には笑いました。
いかがでしたか?
赤い布をまとったワットサケットは、神聖さを増してバンコクの街を見下ろしていました。この行事が100年後、200年後もずっと続いていくことを祈ります。以上バンコクナビがお送りしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-11-13

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