2006年ソンクラーンレポート

タイのお正月ソンクラーン!おごそかな仏教儀式に見る『静寂』のソンクラーンと、とにかく水を掛け合ってはしゃぐ『喧騒』のソンクラーン。初日である4月13日にカオサン通り周辺で繰り広げられたその両方を、ナビが突撃レポート!

『静』のソンクラーン
サワッディーカー!バンコクナビです。ここは、世界中からの旅行者でにぎわうカオサン通りからほど近い、バンランプーという名の下町。カオサン通りから目と鼻の先にあるとは思えないほど、昔ながらのタイらしい家並みや暮らしぶりが残る一画です。ソンクラン初日である4月13日は、敬虔な仏教徒であるタイ人にとって、親戚一同が集まって仏教行事を行う、大切な日。でも仏教行事って、一体どんなことをするんだろう?そこでナビは、ここに住む、ヌンパックディーさん一家のお宅にお邪魔し、その様子を見せてもらうことにしました。

まずは、朝早く起きてご馳走を作り、仏さまにお供えします。色とりどりの、豪華なお皿がずらりと並びます。旧暦のお正月であるソンクラーン。日本でいえば、お節料理のようなものですよね。気合いも入るというもの。
この日は、お坊様を招いて、タンブン(徳を積むこと)をします。タイでは、数字の「九」は、「進歩」と発音が同じため、非常に縁起が良いとされています。そこで、九人のお坊様に来てもらい、家内安全や商売繁盛を祈願します。パーリー語の、流れるようなお経に合わせて、親戚一同手を合わせて祈ります。小さな子どもも小さな手を合わせてお祈り☆
お経が終わると、子どもから順番に、高僧によって祈祷された聖水を掛けてもらいます。この聖水には魔よけの効果があるとされていて、とてもありがたいものなので、皆、ワーイ(合掌)しながら受けます。そして家の中にも、魔物の侵入を防ぐため振りかけてもらいます。
お坊様にお礼のお供えものをして、食事をして頂き、終了。これでまた、1年を安泰に過ごせると、みんなほっとした表情。タイで信仰されている上座仏教は、僧が午後に食事を取ることを禁じているので、食事を含む全ての工程は、午前中に執り行われます。
さて、お坊様を見送ったあと、早速子どもたちは臨戦体制!水鉄砲を片手に意気十分です。前の道路では、ソンクランのパレードが始まりました。

『動』のソンクラーン
『静』のソンクラーンで神妙な空気を味わった後は、カオサンロードに移動して、とにかくはしゃぎまくる『動』のソンクラーンです!“誰彼かまわず、無礼講に水をかけあう”なんてことが許されて、楽しくないわけがない!タイ人も、白人も、オカマちゃんも入り乱れて、水しぶきを飛ばしながら踊る踊る!もうテンションは上がる一方!このときとばかりに、コスプレ姿の人も目立ちます。
コンビニもソンクラン仕様になっていて、ビールと水がこれでもかといわんばかりに売られています。これがあっという間に完売するのだから、ソンクランパワーは物凄い!
水を掛け合うだけではなく、白粉を水で溶いたものを顔に塗りあうので、みんな、芸者さんもびっくりの白塗り状態!水を掛けたり白粉を塗る行為には、「今年がよい年になりますように」という願いが込められているので、基本的に「コップンカー(ありがとう)」といって、笑顔で受けなければならないというルールが!それにしてもすごい人手ですよね。

これはうれしい!あるお茶のメーカーが、携帯電話を入れる透明なビニールケースを配っていました。早速ナビもゲット!

さて、カオサンロードの盛り上がりが最高潮に達するのは、なんと言っても夜。昼間の照りつける日差しもなく、いい具合に酔いも回り、ボルテージは一気に上がります!通りを流して水をかけまくるか、そうでなければ大声で歌を歌い、フルパワーで踊ります!
たまに、常温の水ではなく氷水をバケツで掛けてくる人がいますが、これを夜にやられるとキツイ!でもそれさえも、嬌声を上げて楽しみます。

普段は食べ物屋台が軒を連ねる一帯も、今夜は水鉄砲屋台が幅を利かせています。小さいものから大きなものまで、値段は大体100~300バーツ程度。
カオサンロードの端、特設ステージでは、タイ舞踊のショーが行われていました。
戦線離脱した人たちが、道路脇で一休み。さすがに疲れた顔…、と思いきや、小休止をはさんでまたもや前線に飛び出して行きました。

『写真で見る』他地域のソンクラーン

カオサン通り以外でのソンクラーンの様子をご紹介します。

■ ジャルナコーン通り
雨も降っていないのに道路はびしょ濡れ。通る車に向けて車道脇から水がかけられます。バス、タクシー、バイク、トゥクトゥクどれもお構いなし!!バスの開いている窓から水が入ってくることも!?

■ サムットプラカーン
水かけ以外にも様々な儀式が行われています。サムットプラカーンの中国祠堂付近では、色んな衣装に身を包んだパレードや、大きなドラゴンの山車などが登場しました。

こうして、3日間に渡って、熱狂の日々が続きます。
ソンクラーンはもともと、1年で一番暑い時期である4月の中旬に、豊穣を願って行われたもの。農作物への呼び水として、水を肩に流す程度に掛けるのが本流ですが、とにかく楽しいことが大好きなタイ人。それがどんどん発展して、現在のような、無礼講の水の掛け合いになりました。
でも、通りすがりの人たちが道端で一緒になって遊んでいる姿を見ると、ソンクランは、知らない人同士を結びつけるいい機会であり、またフレンドリーなタイ人気質の象徴であるような気がしてきます。ナビはそんなソンクラーンが大好き。
この1年、どうかいい年でありますように☆

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-04-20

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