バイブアボック(ブアボックの葉)はカノムチンの付け合わせ野菜としておなじみですね。噛むとほろ苦さが口に広がります。一見雑草のようなバイブアボックですが、ハーブのひとつとしてタイの人々に古くから親しまれています。
日本の血止め草に葉の形が似ています。血止め草は、傷口に葉を貼って傷を治すことからその名がつきましたが、このバイブアボックも皮膚のトラブルを和らげる効用があると言われています。また、食用にすることで、余分な活性酸素(老化につながる)を排出する抗酸化作用があるとも言われています。アンチエイジングですね。バイブアボックのジュースは比較的ポピュラーな飲み物となっていますが、味はあの生の葉そのもの、まさに草の香りです(…キツイ)。こうしたタイ伝承の知恵は知るほどに興味深いものなのですが、ハーブはその効能がうたわれる一方、科学的なメカニズムがまだ解明されていないものが多いのも事実。各国で研究がすすめられているところです。
酸味のきいた赤い“クラジアップデーン”ジュース。フードコートのドリンクコーナーなどで見かけます。これはクラジアップデーンのがくの部分を使ったジュースです。その梅シソのような酸味はクエン酸を含んでいるから。またビタミンCも多く、ブルーベリーに含まれ眼に良いとされるアントシアニンも含んでいます。
家庭でも手軽にジュースやお茶を作ることができます。乾燥させたクラジアップデーンにお湯を注ぐだけ。タイの人はそこに甘みを加え、乾燥させたプッサーを加えて飲むそうです(プッサーはナツメのような果物)。頭がすっきりするのだとか。シナモン風味も合う気がしますが、どうでしょうか。クラジアップデーンは赤いクラジアップという意味ですが、クラジアップキアオ、緑のクラジアップというのもあり、これはオクラのこと。どちらの花もハイビスカスや芙蓉の花にそっくりです。
キーレックの葉はカレーの材料に使われ“ゲーンキーレック”キーレックカレーと呼ばれています。このキーレック、タイ人の発音は私たちの耳にはキーレーと聞こえます。ゲーンキーレックにはクタクタっとした葉っぱがたくさん入っています。この開ききった茶葉のように見えるのがキーレックの葉です。ゲーンキアオワーンやゲーンソムなどに比べ、見た目が地味な料理なのですが、妙に後をひく味なのです。少々の苦味もニガうまい。
キーレックは体の中の余計な物を出し、おなかをスッキリさせると言われています。また神経を落ち着かせる安眠を誘うとも。塩漬けあるいは湯でたものが食堂やレストラン用に供されたり、またサプリメントとして錠剤に加工されたりします。私たちが生の葉を見かける機会はなさそうなのですが、そんな折、タイ人の知り合いが家に木があるよ!と枝を持ってきてくれました。写真はその葉です。
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記事登録日:2009-12-04