ベジタリアンフェスティバル2008レポ 【前編】

タイで一番大きく過激なベジタリアンフェスティバル、その起源と期間前半を写真中心にビギナーにも分かりやすくご紹介。

サワディーカー。プーケットナビです。今年もやってきました毎年恒例の「ベジタリアンフェスティバル」。プーケットのベジタリアンフェスティバル、有名所はやっぱり「くし刺し族の大行進」。一般的には「口に串やその他の金属などを刺した血まみれ、ホラーチックな人達の大行進が見られるということ。」「参加する人は期間中お肉、お魚、卵、乳製品は食べられない。」ということで知られている島を揚げての大フェスティバル。実際のところはどんなバックグラウンドを持つフェスティバルなのかということでフェスティバル期間中の写真を交えてドーンとご紹介しちゃいます♪

日時

フェスティバルは毎年太陰暦の新月の9日9晩行われます。今年は9月29日から10月7日まででした。

ヒストリー

プーケットの「ベジタリアンフェスティバル」は1825年頃に始まったと伝えられています。当時、錫の産地として栄えていたプーケットは中国から多くの労働者が現パトンビーチを中心にして広がるカトゥー群に出稼ぎにきていました。今は世界に名高いゴルフ場や高級ホテルなどが立ち並ぶ観光客の中心地として栄えるエリアですが、その時代はジャングルに囲まれる立派な熱帯雨林地帯。当時中国から労働者の為に慰労公演に来ていた京劇団員がこの地で原因不明の病にかかり「神様が自分たちのそばにぴったりと寄り添いいつも守ってくれる」という信念を疑わない中国人の団員らは、偉大なる神キュー・オン・タイテイ(九皇大帝)とヨク・オン・ソンテイに敬意を払うべく日常菜食の食事に切り替え心身共に清め祈りをささげた所、彼らを悩ませていた病気はみごと回復し「ミラクル」を引き起こしました。それを一字一句見ていたカトゥー郡の住人が興味を持ち以降健康そして幸福・平安を祈る儀式として今日まで引き続いているそうです。

場所

発祥の地はカトゥーですが現在のフェスティバル中心地はチャイニーズテンプルが集まるプーケットタウン。期間中は街全体が「ベジタリアンフェスティバル」一色になり一番盛大に行われています。

参加者

【マーソン】
フェスティバル期間中「神が乗り移る(?)」特別な信者。中国刺繍を施したエプロンのような衣装を着ている人達です。くし刺しなど痛々しい行動を行っているのもこの人達ですね。といっても誰もがなれるわけではなく「神様に選ばれた人のみが参加することができるポジション」だそうで通常は地元プーケット人の家族が代々引き継いでいることが多いそうです。ところで、この「マーソン」もし今回のフェスティバルに「マーソン」として参加したくなければフェスティバル前に寺院にいって神様に「今回は参加できませんが、来年いや、再来年は必ず参加しま~す。」とお願いすればそれはそれでOKなのだそうです。数々の血が飛び散る過激な行動も乗り移った神様次第だそうで酔っ払った様なトランス状態に陥るのみで特別な行動を起こさない「マーソン」いや、神様もいらっしゃるそうです。マーソン達はフェスティバル開始1か月前からベジタリアンメニューを食し神様がいつでも体内にお入りになって良いように万全な状態にしているそうで、選ばれた者でもそれなりに努力しなければいけないのですね。

【その他の信者】
節制して身を清めるというお祓い的な意味も実際は持つフェスティバル。仏教徒であれば国籍に問わず誰でも参加可能です。ただし、以下の10のお約束を期間中守らなければなりません。

1. 身体を清く保つ
2. 台所を清め、台所は菜食を取らない者と共にする事を禁ずる
3. 白い装束を身にまとう
4. 身体及び精神を健全に保つ
5. 肉食を禁ずる
6. 性行為を禁ずる
7. 飲酒を禁ずる
8. 喪中の者の儀式への参加を禁ずる
9. 妊娠中の女性は儀式を見てはならない
10.月経中の女性の儀式への参加を禁ずる
従来、開始前にそれぞれ中国寺院へ趣、「今回のギンジェー(菜食)を何日~何日までします。」という参加の意思を神様にお伝えするらしいのですが、近年、参加者の皆さんこのお祈りを省く人が多いそうです。期間中は2項目目の「白い装束を身にまとう」ということでプーケットタウンはほぼ白い服を着た人達に占領されてしまいました。

フェスティバルの模様

それでは実際のベジタリアンフェスティバルの様子を写真で追って見ていきましょう。

■9月28日―フェスティバル前日午後(ジュイトゥイ寺院)
それぞれの中華寺院で竹に9つの小さな提灯がくくりつけられた「ゴ・テン・ポール」と呼ばれるポールが立てられます。これは神様に「ようこそ下界へおいで下さいました。」というウェルカムシグナルだそうでフェスティバル期間中9つの光はともされ続けられるそうです。前日だというのにかなりの人だかりでした。
すでに過激な行動を起こしちゃっている神様が乗り移ったマーソン。
「いらっしゃいませ。おまちしておりました。」と神様キュー・オン・タイテイに一礼する寺院スタッフ一同
ものすごい量の爆竹が鳴り響くのもベジタリアンフェスティバルならではの光景です。 ものすごい量の爆竹が鳴り響くのもベジタリアンフェスティバルならではの光景です。

ものすごい量の爆竹が鳴り響くのもベジタリアンフェスティバルならではの光景です。


■9月29日/9月30日
29、30日はお寺での行事は参拝のみでとくにこれといったアクションはなかったようです。信者は食事が菜食主義メニューに変わりました。この日から9日間お肉やお魚とはしばしおさらばです。

◎パレード(10月1日~10月7日)
1日から日程に組まれている予定通りにマーソン達の痛々しい行動を生で見られるパレードが開始。初日と最終日は夜、その他の日はそれぞれの寺院をスパヒン寺院に向かって朝7時半頃出発。スパヒン寺院に到着したら出発した寺院に逆戻り。終了時間は11時、12時頃と各寺院のよって多少の変動があります。

■10月1日(サパム寺院)
この日は神様「ラムタオ・パッ・タオ」をお出迎えしに行くスペシャルディ。パレード初日+夜9時頃にスタートということだけあって白い衣装を着た人・人・人だらけでした。

■10月2日(サムコン寺院)
プーケットタウンの大型スーパーマーケット「ロータス」の近くにあるサムコン寺院。
中国正月で見受けられる「ドラゴン」はナコンサワン県からのインポート品だそうです。

■10月3日(バーン・タールア寺院)
ヒロイン像近くのバーン・タールア寺院。プーケットタウン中心部までの道のりが長いので車を利用しました。

■10月4日(バーン・ニャオ寺院)
プーケットタウンの中心部ロビンソンデパート近くのバーン・ニャオ寺院から。マーソンのみなさん、かなりオリジナリティ溢れる物を痛々しくほっぺたに突き刺していました。突き刺すものも身体にはいったそれぞれの神様が決めるらしいです。きっとお茶目な神様達だったのですね。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-10-27

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