タイのやきもの紀行!その昔日本にも伝来し「すんころく」と呼ばれ茶人にも親しまれたサンカローク焼きを訪ねて
サワッディーカップ、バンコクナビです!みなさんは「宋胡禄~すんころく」という言葉を学校で習った記憶がありませんか?これは13世紀にかのラームカムヘーン大王が中国から陶工を呼び寄せて生産したやきもので、サワンカロークという地名が名前の由来の「サンカローク焼き」と呼ばれるタイを代表するやきものなんです。そしてそのやきものは海を渡り日本へ伝来し、江戸時代には多くの茶人に好まれました。このときに名前がすんころくと呼ばれたんですね。さて、このサンカローク焼きはスコータイ、シーサッチャナライで見ることが出来るため、是非遺跡巡りと合わせて訪ねてみてもらいたいんです。
いざ!やきもの紀行へ
さて、やきものへの旅はバンコクから行くにはスワンナプーム国際空港からバンコク・エアウェイズ(PG)の直行便でスコータイへ。所要はおよそ1時間20分程。また、陸路はバンコク北バスターミナルにスコータイ行きが発着しています。所要はおよそ6時間程。あと鉄道での移動はバンコクのフアランポーン駅からピッサヌローク駅、またはサワンカローク駅下車(所要約7時間)。そして古窯の跡地を見学するにはスコータイから車で約1時間のシーサッチャナライへ行き、歴史公園から西の位置にある博物館などを遺跡見物とあわせて見学されるのがおすすめです。
バンコク北バスターミナル
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スコータイバスターミナル
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サンカローク博物館
まずはスコータイ市内にあって簡単に行くことができる「サンカローク博物館」へ行ってみましょう。場所は新市街地からトゥクトゥクで10分程度の場所で、歩くのが平気な方は徒歩でも行けます。ここに展示されているやきものや工芸品はスコータイ出身のご夫婦による収集コレクションで、サンカローク焼きを中心に、当時のスコータイの外交がうかがえる周辺諸国の陶器が展示されており、その数は約2000点にもなります。やきものを通して当時の生活を知ることができます。入り口のチケットカウンターで展示物に関する説明が載った日本語のパンフレットを借りることができますよ。入館料100バーツ。
古窯をたずねて~シーサッチャナライへ
サンカローク焼きの中心地はスコータイ市から車で約1時間の場所で、シーサッチャナライ歴史公園の遺跡巡りとあわせて見ることが出来るロケーションです。この歴史公園から北西約1.5キロメートルの地域は「コ・ノーイ村」と呼ばれていて、サンカローク焼きの窯跡が200件以上点在する古窯エリアなんです。スコータイ王朝時代にここの窯の集落で生産されたサンカローク焼が、海を渡り日本にきたとき「すんころく」と呼ばれたんですね。輸出されたのは日本の他、インドネシア、フィリピンなどがあったそうです。
スコータイからの乗合バス
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やきものの里らしいモニュメント
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サンカローク焼博物館61番窯コ・ノーイ村の中にあった窯の跡地が博物館となって当時の様子を公開しています。場所はシーサッチャナライ歴史公園からおよそ3キロほど北西へ進んだ場所にあります。研究所とも呼ばれているこの博物館は、なるほど入り口には生産エリアの立体マップが置かれており、代表的なやきものがタイ語ではありますが、説明文とともに展示されています。そして隣の展示室には地下を掘って作った大きな窯の跡を見ることが出来ます。ショーケースにはサンカローク焼きの修復された大きな壺などが展示されています。入館料100バーツ。近くにサンカローク焼博物館42番窯もあります。
プラサート古美術店サンカローク焼博物館61番窯の正面にサンカローク焼きのお店「プラサート古美術店」があります。看板はなぜか日本語なんですよ。おいているのは定番のかたちのサンカローク焼きの壺や、サンカローク博物館で見たような染付の皿、また置物などバラエティーに富んだ品揃えとなっています。素焼きの壺などは非常に味わいがあり、おみやげにも良いかもしれませんね。素焼きなので包装はしっかりと。無人の店のように誰もいないことが多いですが、お隣にある離れ家にご主人がいらっしゃると思いますので、声をかけてみましょう。値段は100バーツ以下からあり、買いやすいと思います。
リー・タイ・アンティーク歴史公園とワット・プラ・シー・ラタナー・マハータート・チャリエンという遺跡の間にもサンカローク焼きのショップが並んでいます。プラサート古美術店程の在庫数はないですが、お店によってはやや厳選された感じの焼き物が販売されています。そんな中一軒家のような洋館風のお店があり、アンティークという看板が出ているお店があります。お店の中はサンカローク焼きの骨董や現代焼かれたものも置いてあるようです。もちろん日本語は話せませんが、優しそうなご主人が対応してくれますよ。
四方をアンティークに囲まれて
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陳列棚には作品がぎっしり
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やさしそうなご主人
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周辺にはやきものの屋がいくつか商っている
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工芸品のたのしめるカフェ~ドリームカフェ
さて、いろいろやきものを見学したあとはスコータイ新市街のカフェで休むのはいかがでしょう。竹をあしらった入り口を入ると素敵なテラスがあり、お店の外観はアンティークな雰囲気が漂っています。中に入りますと落ち着いた照明にショーケースがたくさん置いてあり、ケースの中にはたくさんのサンカローク焼きやガラスなどの工芸品がディスプレイされています。店内は木調なのでとてもリラックスできますし、飾られているお店のコレクションを眺めて飲むオリジナルコーヒーはとてもおいしいですよ。
竹に囲まれた外観
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落ち着いた店内
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飾り棚などにいろんなコレクションが
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ちょっとしたプチ博物館のよう
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いかがでしたか?すんころくとよばれたやきものの里はここスコータイ、シーサッチャナライにあったんですね。ここにはもちろん遺跡巡りが目的で来られる方がほとんどかと思われますので、それにあわせて楽しむことが出来るやきもの巡りを是非おすすめします。この他サワンカロークという町にはラームカムヘーン国立博物館などもありますので、お時間のある方は立ち寄って見学されるのもよいかと思います。やきもののみならずスコータイ王朝の歴史とともにタイという国に違ったかたちで触れる素敵な時間になればと思います。
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記事登録日:2015-01-15